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 いやいやいや、やっとこさピラミッドが見れたよ。これで心置きなくマージャンができる。さっ、チャリダーF、卓を囲もうぜー。

 と、と、ところが、チャリダーFったら、ピラミッド見たからさっさとバンコクに行く。とか言ってるのだ。

 な、何やってぇーあんたまだカイロに来たばっかりやんかぁー。何でもう出発するんや?あんたなぁ、さんざん私に追いついといて、最後には追い抜くんかぁー?もうちょっとカイロにおろうなー。もっとマージャンやろうなー。マージャンの負けなんかあっとゆう間に取り戻せるでぇー。

 な、なんか、彼の決心は変わらないようだ。本当に荷物をまとめてしまった。

 な、なんだよー、出るのが早すぎるよ。まさかチャリダーFの方が先に出て行くとは思わなかった。そーかーバンコクかー。いいなー。私ったら、ココ最近バンコクには行ってないからなー。噂ではカオサンはだいぶ様変わりしたらしいからなー。オレも後を追おうかなー。

 しかし、チャリダーFとは不思議な付き合いだったよなー。ホントに、ホントにここまで何度も再会した人は始めてだった。お別れかー。いつもは私が見送られる方だったが、最後は私が見送る方になっちゃったよ。元気でね。気をつけて。ひょっとしたら、またカオサンで再会かな?

 でも、なんか、ちょっと寂しかったぞ。

 チャリダーFは出てったし、ピラミッドも見たし、私だってもうココにいる理由は無いのだ。いつ出発してもいいのだ。しかし、私はその後も、ダラダラと怠慢な生活を続けていた。完全に惰性の生活だ。清き水も、その流れが止まって完全に濁ってしまった(そんないいもんじゃないってか?)。

 でねー、生活そのものも、まるっきりやる気の無いダメオヤジと化してきたのだ。なんちゅうか、ハタで見てたら「なんだこの変なオヤジは?」的になっていただろう。

 特に新しく入ってきた旅行者が、ホントに活発に行動的にあっち行ったりこっち観光したりしてるのを見ていると、私っていったい何やってるんだろう?となってきたのだ。

 唯一気合いの入っていたマージャンですら、適当に打ってしまっていた。やる気無いぞ、オレのマージャン。

 ダメだこりゃ。なんかすごく肩身が狭くなってしまっている。なんか小さくなってるぞ。ダメだこりゃ。このままじゃダメじゃん。

 移動しよう。日本へ帰ろう。今、私がココに残ってる理由はなんにもないよ。この宿の居心地の良さにおんぶにだっこしてるだけだ。

 ちょっちょっちょー、気合い入れなきゃ!せめて最後ぐらいは元気になろう!!

 よぉーし、移動するぞー!日本に帰るか。まずは航空券の手配だ!

 本当は、まずはバンコクに向かおうと思ったのだ。バンコクに行けば安い航空券もあるし、チャリダーFにも会えるし、ひょっとしたらそこから又別の旅が始まるかもしれない。気分を一新すると、またやる気が出てくるもんね。

 バンコク(特にカオサン)は不思議な町なのだ。旅の交差点って言ってもいいかもしれない。色んな旅行者がバンコクはカオサンに集まるのだ。バンコクから日本に帰ったり次の目的地に行ったり情報収集や航空券の手配をしたりしている。

 日本に帰るつもりの人でも、カオサンに来たばっかりに、又別の国に旅立ってしまった人がけっこういるのだ。わ、私もそうなるのかな?

 だけど、結局私は日本へ直行することになった。実はエミレーツかどこかの航空会社が、カイロ〜関空間の直行便を新たに設定したのだ。そして、新規開発とゆうことで、期間限定でその間の航空券が激安価格になったのだ。

 これはチャンスだ!これはゼヒ利用しなければ。行き先が関空ってのもいいぞ。チャリダーFには悪いけど、バンコクはヤメにした。日本で会おうね。


 さて、さて、いよいよサファリホテルを後にする時が来た。いやいやいやーーー、ホントーに長かったねー。こんなに一つの宿に長居したのは始めてだよ。なんか、名残惜しいのだ。

 私はその頃、カッパギカップルのHセより『マージャンファンクラブ長』とゆう役職(?)を受け継いでいたのだが(カッパギカップルも南へ旅立ってしまったのだ)、それの跡継ぎも決まった。彼は頑張ってくれただろうか?(ま、私はロクな仕事はしなかったが)

 置土産として、汚い短パンと汚いサンダルを置いていった(好きな人が取り放題)。手持ちの本も寄付した。さぁって出発するか。・・・出てくのヤだよーー。もうちょっとココに残っていたいよーー。航空券捨てようかな?それは無理だな。

 後ろ髪は引かれまくりなんだけど、もう宿を出る時間だ。

 この宿のいい所は、長くいた人が出発するとき、みんなで見送ってくれるのだ。しかも歌まで歌ってくれる。長い階段を下りていくまで、ずっと歌って送ってくれるのだ。

 送る歌はイルカさんの『なごり雪』だ。なんか、別れの時にはすごく似合う歌だぞ。別れる時にこんな歌なんか歌われた日にゃあたまらんぞ。

 色んな思い出や、仲よくなった人とも別れるので、泣きながら階段を下りていく人がいっぱいいる。「あたしゃ絶対に泣くもんかっ!」とか言ってる人が一番泣いたりするんだ。

 私はずっと送る側の方だったが、今日は送られる側だ。なんか、なんとも言えないぞ。

 なのだが、私が出て行くときは(とゆうか男だけが出て行くときは)送る歌が宇宙戦艦ヤマトの後テーマ、『真っ赤なスカーフ』になってしまうのだ。男を見送るのに『なごり雪』は合わない!とゆう理由らしいのだが、私としてはなごり雪の方がよかったな。

 そして、みなさんに見送られて、私はサファリホテルを後にした。これでサファリホテルともお別れだ。アフリカともお別れだ。

 長かったよー。私の長いアフリカ旅行もやっと終わった。

 今までの様々な思い出が、走馬灯のようによみがえってくる。・・・はずなのだが、その時の私にはそんなものは何も無かった。なんとゆうか、思い出に浸る余裕がなかったのかな?きっと、内容が余りにも濃すぎて(私にとってはね)、まだちゃんと消化しきれていなかったのだろう。

 なんにしても、長かったなーー。終わったのかーー。そうかーー、終わったのかーー。

 その時の私は、そんな感じだった。

−− お わ り −−




 ダラダラと続いておりました、わたくしのアフリカ縦断旅行記も、やっとこさ終わりました。

 えーっとお、なんといいますか、ほとんどなんの役にも立たなかったような私のお話しなのですが、ある一人の男が、こーやってすったもんだしながらもアフリカの地を自分の目で見てきたのだなーと思って頂ければさいわいです。

 内容については、人物名を偽名にしたり(他の旅行記も偽名を使っています)書けないコトや書いてはまずいコトはしらばっくれておりますが、基本的にウソは書いておりません。

 記憶違いや勘違いはあるかも知れませんが、ウソ偽りは書いていないつもりです。ただ、私の主観のみで、私の思ったことをそのまんま書いています。

 十人いれば十人のアフリカがあると思います。ので、私とは全く違った感想を持った人もいるはずです。この旅行記は、かーなりわたくしの主観が入りまくっておりますです。ので、鵜呑みにすると、痛い目に合う可能性もありますです(^^)。アフリカ旅行前には、まっとうな人のまっとうな旅行記も参考にされることをおすすめします。

 ん?これは、本来最初に書くべきだったかな?ま、いいか。


 えー、とりあえずこれをもちまして、このホームページは当分更新しないと思います。一年ぐらいしたら更新するかも知れませんが、それまでは又ほったらかし状態になると思います。ゴメンナサイ。

 なんにいたしましても、ここまで読んで頂いて、本当にありがとうございました。


たけし




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