さて、次に目指したのはウォンドゲネットとゆう温泉の村だ。
アワサからウォンドゲネットへ行くには、いったんシャシャマネに行き、そこからバスを乗り換えなきゃいけない。
シャシャマネ。そう、あのオーストラリアのエチオピア大好き美人姉ちゃんが「ここだけは行くな」と言っていたシャシャマネだ。幸い時間的には本当に乗り換えるだけでシャシャマネには泊まらないですみそうだ。
ただ、そのシャシャマネのバス停で１時間ぐらいの待ち時間があったのだが、バス停（大きい広場）にいる連中はみんな気持ちのいい連中ばっかりでなかなか楽しかったのだ。お姉ちゃんはあー言っていたけど、シャシャマネ、そんなに悪くないのかもしれない（後に判明するのだが、気持ちのいい連中はバス停の中だけだった）。
さて、無事乗り換えバスも来てウォンドゲネットに向けて出発だ。
ウォンドゲネットに行く道は幹線道路から外れてしまうんだけど、幹線道路から外れたとたん、道がおもいっきり悪くなった。おもいっきりのデコボコ道だ。
しかし、道は悪くなったがそのかわり景色がメッチャクチャ良くなった！もう、深い緑に囲まれた道が続く。道が細いから両脇から木々が迫ってくるようだ。いやぁー、こーゆー景色、大好きだぞ！（ちなみに、当然ながらバスの窓は開けてくれない）
そしてそんな素晴らしい景色を進み、バスは終点に到着した。着いた所は、なんとゆうか、村とゆうより集落だった。すんごく小さいぞ。とりあえず飲み屋風な店へ行って宿を決めよう。
エチオピアも、このあたりに来ると英語がまったく通じなくなる。村の人は外人が珍しいらしくワンサカ寄って来るが、みんな英語が通じない。
「ブンナベット（ホテル）イエット（どこ？）？」とか聞いてもみんな笑ってるばっかりでなかなか話しが進まない。そしてカタコトだけど、何とか英語が通じそうな人もやって来てなんとか話しが分かってもらえてきだしたのだが、どーも、なんとゆうか、ここはウォンドゲネットではないらしい。
私はバスで終点まで来てしまったのだが、どーもウォンドゲネットは終点の少し前だったらしい。行きすぎてしまったのだ。つ、次のバスは来るんだろうか？なんか来ないような気がする。
「馬馬、馬で行け馬で」
馬？なんか村の人が手を引っ張って連れてってくれたのだが、そこは馬車乗り場だった。
馬車だよ馬車。モチロン観光用ではない。完全に実用的移動手段の馬車だ。いいねぇー、窓閉め切ったバスなんかで戻るよりもコッチの方がよっぽどいいねぇー。ウォンドゲネットまでの料金は１ブルらしい。安いのか高いのかよく分からないが、村の人に聞いても１ブルって言ってるようなので（確信は無い）やっぱ１ブルなんだろう。
私を含め３人の客を乗せて馬車が出発した。いいぞいいぞ、なんかかっこいいぞ！緑に囲まれた道をパカランパカランいわせながら馬車がノンビリ走る。きんもちいいぞ！！
しかし、気持ちいいのは最初だけだった。しばらくすると、後から来た別の馬車が追いついてきたのだ。馬車の運転手は（運転手と言うのだろうか？）、さっきまでノンビリ走ってたのに、いきなり闘争本能が燃えだしたらしい、鞭をふるって飛ばす飛ばす。もう一方のヤツもそれに応えて飛ばす飛ばす。細い道で即席の馬車レースが始まった！
ありゃー、両方の運転手立ち上がっちゃったよ。おもいっきり飛ばしてるぞ！馬車が揺れる揺れる。どっかに掴まってなきゃおっこちそうだ。隣のおばちゃんなんか悲鳴上げてるぞ。もう一人の女性は（カワイイ）ニコニコ笑ってる。よっしゃ行っけーーー！！負けるんじゃないぞ！
いやあ、抜きつ抜かれつのデッドヒートだよ。しかしウチの方の馬車ったらいきなり止まってしまった。道端でお客さんが手を上げてたのだ。そーかー、勝負よりも商売が大事か。ま、しかたないな。
そして無事着いたウォンドゲネットは、小さな村だった。しかし、その小さな村にメチャクチャイッパイ人がいる。小さい村なくせに人口密度だけは異常に高そうだ。ま、とりあえず宿を決めてメシでも食おう。
このウォンドゲネットとゆう村、緑にイッパイ囲まれたすごく景色のいい村だった。
ただ、あまりにも人が多すぎる。人口密度だけで言ったらアワサの町よりもはるかに高いぞ。なんたって村のど真ん中にバス停があるから、バスが来る時間なんかそりゃあもう人だらけなのだ。朝のラッシュ時の梅田駅と変わらないぞ（それはちょっと言いすぎだぞ）。
確かにいい村なんだが、村を歩いてると人だらけでちょっとうっとおしいのだ。少数ではあったが「ファックユー」のバカタレ若造もいた。この村、もうちょっと人が少なければゆうことないんだけどなぁ。
狭すぎるのに人がイッパイってゆうのは、チョットした弊害がある。日本人が珍しいってのもあるんだろうが、村の人みんなが私の行動を把握しているのだ。私の泊まってる宿も知ってれば昨日ドコでメシ食ったかも知っている。なんかすんごい狭い世界だぞ。プライバシーなんてあったもんじゃない。
とゆうことで、今日は村を外れて遠くの方へ散歩に行こう！
いやいやいや、いい感じだわ。道はどこまで行っても緑に囲まれてるし、わき道にそれたらそれたで面白い道だし、村から外れたら極端に人が少なくなってノンビリ歩ける。
そーして歩いてると目ざとい子供達が寄って来るのだ。しかし、さすがは田舎の村だ！悪名高き you! you! you! 攻撃はここには無かった。モチロン「ファックユー」なんて言うヤツもいなかった。みんなニコニコテレテレついて来るだけだ。
ただ、その次に会った子供達は「ギブミー ワン ブル」とか言うのだ。お前らなぁ、英語が喋れないくせになんでそんな言葉ばっかり覚えるかねー。
でもね、こいつら、けっこうカワイイのだ。一緒に遊ぶと楽しいぞ。「ギブミー ワン ブル」も、お金が欲しいとゆうより「ハロー」と同じような感じで使ってるみたいだ。
しかし、そーやって楽しんでるときにかぎっておせっかい野郎がやって来る。そしてかわいらしい１ブルちょうだい少年少女を蹴散らしてしまった。ほんでこーゆーヤツにかぎって英語が通じるんだ。こーゆー場所で英語が通じる輩とゆうのはロクなヤツがいない。
でやっぱりロクなヤツじゃなかった。「君の役に立ちたい」とか言ってついて来て、最終的には「金くれ金くれ酒飲ましてくれ」だった。ホンマにもう！
そうだ、いつまでも散歩ばっかりしてちゃいけない。ここには温泉に入りに来たのだ。何日もここにいるのにまだ温泉に入っていなかった。
温泉は、この村から坂を上って３ｋｍぐらい行った所にあるのだ。３ｋｍかー。行って帰ったら汗だくになるんじゃないか？しかし、温泉往復用にちゃんと馬車が待機していた。片道３ブルだって。
３ｋｍで３ブル？ちょっと高いんじゃないか？よく見ると地元の人も３ブル払っていた。「坂道だから高いのだ」とか言っていたが、じゃあ帰りは下り坂だから安いのか？って聞いたらやっぱり３ブルだった（坂道関係ないじゃん）。
温泉の入場料が３.４ブルするので（石鹸付き）往復１０ブルぐらいしてしまう。行きは歩きで帰りに馬車を使おう。
んで温泉に向かったんだけど、いや温泉への道もなかなかいい感じの道だぞ。しかも温泉がある場所は木々が繁りまくっててこれまたいい景色だ。温泉入る前にそこここを歩き回ってしまったよ。
地元の人の話しでは、この森をずっと入った場所に源泉があるらしい。「お金払ってくれたら案内してやるぞ」とゆう話しだったが、しばらく悩んで結局やめてしまった。
色々寄り道しちゃったけど、さ、目的の温泉に入ろう。入口で入場料払って石鹸もらって、中に入りました。
なんか、イメージしていた温泉とはちょっとかけ離れていた。温泉とゆうより狭めの緑地公園って感じだ。公園の中に打たせ湯シャワーがあって、ここで体を洗うのだ。そして湯船は、プールだった。作りが完全にプールなのだ。みんな泳いでいるぞ。お湯に浸かって「あ゛ーーー極楽極楽」なんてやってるヤツは一人もいない。なんだかなー、温泉って雰囲気が全然ないぞ。
プールで泳いでない人は、芝生に弁当並べてご飯を食っていた。ほとんどピクニックだね。メシ食ってるのは地元の人ばっかりだったんだが、中に欧米人の女性がいて（美人ではないが愛敬がある）、今まさに弁当（パンだが）を食おうとしていた。目が合うと『あなたも来る？』とゆう感じの表情をしてくれた。はい、喜んでおじゃまいたします！
お言葉に甘えてパンを食わせてもらった。ピーナッツバターをタップリ付けて。いやいやいや、なんかいいね。お姉ちゃんと一緒にピクニックに来たみたいだ。
話しを聞くと、お姉ちゃんもアワサから来たそうなんだ。おーー私と一緒だね。
「アワサのホテルに素敵なガイドがいてね、彼と契約してこれからエチオピア南部を回る予定なのよ」
・・・はーー、アワサでガイドを雇ったんだ。へーーー、なんかイヤな予感がするな。
「あ、彼が来たわ。彼がガイドの○○よ」
出たよ出たよ。イヤな予感が当たったよ。アワサの町のスカタンガイドやがな。何でここまで来てこんなヤツと会わなきゃいけないんだ。ニヤケ顔スカタンガイドも、私を見て驚いていた。さすがの彼もまさかこんな所で私に会うとは思ってもみなかったんだろう。
「あら？あなた達、知り合いなの？」
「うん（残念ながらね）、私もアワサのホテルで・・・」
「僕は彼なんか知らない」
！！そ、そうか、オレのこと知らないってか。いーねいーね、そのまんま知らん振りしててくれ。だけどなぁ、出来ることならそのセリフ、アワサで聞きたかったよ。
お姉ちゃんが私とスカタンガイドを見比べながらチョットとまどっている。
「悪いね、私はシャワーを浴びてくるよ。じゃあね」
お姉ちゃん、私がいきなり離れようとしたので、あからさまに不機嫌な顔になってしまった。
ケッ！もうどーでもいいや！さっさとシャワー浴びて帰るか！
もう移動することにした。ここでグズグズしてると又あのアホンダラに会いそうな気がしたのだ。
次の目的地はハラル。あのエチオピア大好きオーストラリアお姉ちゃんが最初に絶賛してた町だ。しかし、ここからハラルまでは遠い。２泊か３泊しなきゃいけないみたいなのだ。なので、途中下車しながらハラルを目指すことにした。ハラルまでは有名な町はないのだが、そのまま素通りするより小まめに泊まり歩いた方が楽しいだろう。
とゆうことで、まず最初はジワイとゆう町に行くことにした。ウォンドゲネットから３，４時間ぐらいのところにある町だ。どんな町なんだろう？ちょっとワクワクするぞ。
