さて、給養も充分で元気イッパイになったところでいよいよナミブ砂漠だ！今回のツアーで行くメンバーは、偶然同じ宿に泊まっていた二人の日本人男性、カナダから来たカップル、そして私の５人だ。

　日本人一人とカナダカップルは二泊三日のツアーだが、私ともう一人の日本人は三泊四日のツアーだ。一日分長いのは、スワコップムンドとゆう町の観光を一日増やしたからなのだ。砂漠以外はいらないとか言いながらも、せっかくだから長い目のツアーにしたのだ。

　本当はスワコップムンド観光の後、ウイントフックに戻って来るんだけど、私だけスワコップムンドに居残ることにした。そのまんまスワコップムンドをウロチョロした後、次の国に移動するつもりだったのだ。そのかわり、ツアー代も少しオマケしてもらった。ほんのちょっとだけだけどね。

　スタッフはガイド兼運転手兼シェフの兄ちゃんが一人。料理やテント設営（寝泊まりは全部テント）は我々もお手伝いするんだそうだ。一人じゃ無理だもんね。

　さて、どうなることやら、出発です。

　まず全員でスーパーに行って食料やらの買い物。食い物は全部ツアー代に入ってるが、飲み物は別だ（特にビールは必需品だもんね）。その他オヤツとかも買いこんで、まず最初の目的地へ出発。

　実は、はっきり言って、砂漠以外にどこに行ったのか、あんまり記憶がない。それだけナミブ砂漠の印象が強烈だったのだが。

　しかし、唯一記憶に残ってるのが、ガイドの兄ちゃんの態度がよくなかったことだ。なんか、いつもなげやりな態度なのだ。話し方もぶっきらぼうだったし。

　普通ガイドなんだから観光地の道案内とかするよね。でもほとんどしないのだ。どっか渓谷のような所を観光した時も、「この道とおってずっと歩けばいい。オレはあそこで待ってるから、メシの時間があるから早くしろよ」とか言いやがった。

　おいおい、案内しないのか？道に迷ったらどーすんだ。しかも「早くしろ」はないだろう。普通はお客さんがゆっくり楽しむために気を配るってのがガイドの仕事じゃないのか？それを早くしろもなにもないもんだ。

　こいつの口癖は「早くしろ」だった。温厚な私も少しだけムッとしたぞ。

　それに、いつも食事が少ない！

　私はそんなに大食らいじゃない。確かに若かりし頃は大食らいだったかもしれないが、今は普通の人より少うしだけたくさん食べるだけだ。そんな私がお腹空かせる量しか作らないんだ。毎回こいつが食事作るんだが、いっつも量が少なくてお腹を空かせていた。人間腹が減ると短気になるってゆうのを知らないのだろうか？

　まあ、あんまり腹たてててもしかたない。ツアーを楽しまなけりゃもったいないもの。

　さて、そんなわけでナミブ砂漠に到着した！楽しみにしてたナミブ砂漠だ！到着したのは４時頃だったかな？

　到着したのは砂漠の中じゃなくて、砂漠入り口のソススフレイとゆうキャンプ場だ。砂漠を観光する人達は、このキャンプ場を拠点に寝泊まりする。そんなわけでけっこうここは設備が揃ってる。お金持ち用の立派なロッジや（私らはテント泊）小さい商店やバーやプールまである。少々高いが冷えたビールも飲めるのだ。

　しかし、私達はビールを飲みに来たのではない。砂漠を見に来たのだ。さっそく砂漠へくり出そう！

「砂漠に行くのは明日の朝だ。今日はここで自由行動だ」

　えぇ？砂漠行かないのか？ちょっとでいいから行こうよ。自由行動ったってまだ４時じゃん。どーすんのさ、こんな時間からこんな所で。

「砂漠は遠いんだ。明日の朝行くから今日は自由行動！」

　なんなんだよ？せっかく砂漠に来たのに、すぐ近くなのに明日までおあずけか？ひょっとして手ぇ抜いてんじゃないのか？まったく、融通のきかないスカタンガイドだよ。

　さて、あんまり対応がよろしくないスカタンガイドだが、そんなことは翌日になったらキレイさっぱり忘れてしまった。なんたってナミブ砂漠を見ることができたんだもの！！

　翌早朝、ナミブ砂漠の入口にあるDune45とゆう砂漠の山に登って朝日を見ることになった。

　Dune45は有名なポイントで、ガイドブックにも写真が載っている。その写真は砂の色が濃い肌色（アプリコット色とゆうらしい）をしていたのだが、写真だからこー見えるだけじゃないのか？本物は全然違うんじゃないのか？とか思ってた。

　しかし！ホントにそんな色をしていたのだ！！そして、メッチャクチャキレイなのだ！！あんれまあ、私ゃ見とれてしまったよ。

　これがそのDune45だ。

　これは朝日を見た後の写真だから上り口が人の足跡だらけだけど、最初は足跡の一つもないキレイな鋭角をしている（はずだ）。

　私が見取れている間に他の日本人二人はあっとゆう間にかけ登って行ってしまった。こりゃまずい！遅れをとってなるものか！私もかけ登ろうとしたが、いかんせん年である。途中でバテてしまった。砂丘って登るのにけっこう体力使うのだ。

　それにこの砂、すんごいサラサラしている。砂の粒もすごく細かい。山の傾斜側に立ったらそのままズズズーって滑り落ちそうな感じなんだ。なんか楽しいぞ。

　ほぼ山のテッペンに立ったところで朝日が出た。なんかいーねー。いやあ、満足だよ。ここはまだ砂漠の入口なのだ。砂漠の真ん中に行ったらどんな風なんだろう。

　朝日見てから朝飯で、その後砂漠の真ん中に行くんだけど、メシ食うのがもどかった。早く行きたいぞ！ウズウズしながら朝飯食って、さあ、砂漠の真ん中に出発だ！

　砂漠の真ん中には四駆でしか行けないとかで、ソススフレイ常駐のジープの荷台に乗って行くことになった。なんか、足下見てるのかこのジープの料金やたら高いぞ。後で思ったのだが、このジープ代ってツアー料金に含まれてないのか？なんかガイドがピンハネしてるんじゃないだろうか？信用できないガイドだからなんでもかんでも疑心暗鬼になってしまう。

　さて、まあ、でも、そんなこたぁどーだっていい！いよいよ砂漠の真ん中に向けて出発した！

　Dune45はそこにだけ砂漠の山が一つあって、他の所は普通の土だったのだが、ジープが進むに連れてだんだんそこら中砂漠になってきた。砂漠になってきた。砂漠に、さ、砂漠どぅあ゛ーーーー！！

　もう、まあ、あれまぁ、砂漠だ！そっこら中砂漠だ！しかも砂漠の山がみんな高い。ジープが到着したのは低い所だったのだが、周り中背の高っかい砂漠の山が脈々と連なってるんだ。なんか、山脈とゆう感じだよ。

　いやもう、登らずにはいられない！なんかもう、砂が本当にサラサラ。本当にきめ細かい。砂の色もどこもかしこもアプリコット色でキレイキレイ。なんか私ナチュラルハイになってしまったよ。

　そして、山のテッペンに登ったときの景色がもう！最高です！！見渡す限り、３６０度、全部砂漠なんだ！！もうずっと先まで砂漠が続いてるんだ。それがまたキレイで背の高い山々なんだ。砂漠の稜線だよ。スゴイ景色だねー。

　写真が下手で申し訳ない。本物のナミブ砂漠はもぉっとすごくてもぉっとキレイな色をしてるのだ。

　私、実は、このナミブ砂漠をおもいっきり期待していた。そしてちょっと心配もしていた。

　よく有名な観光地で期待して行くと、その期待の方があまりにもデカすぎてちょっとガッカリすることがある。観光地自体はけっして悪くないんだが、事前のイメージがあまりにも膨らみ過ぎて満足しきれないのだ。

　今回のナミブ砂漠もそーならないかと少し心配していた。

　しかし！このナミブ砂漠、そんな私の膨らみきった期待を充分に受け止めて、それ以上のものを見せてくれたよ。いやホント、来て良かった。本当に、もんのすごいいい所だった。

　砂漠には当然ながら観光客もイッパイいて、観光客が多い場所はそのキレイな砂が足跡だらけになってしまっていた。私達は（日本人三人で行動していた）、あまり観光客が歩いていない山を目指すことにした。誰も歩いていないまっさらな砂丘は、それはそれは美しいのだ。

　砂丘の先っぽ（尾根と表現すればいいのだろうか）がねぇ、鋭角にとんがっててそれがずっと先まで続いている。みんな尾根の所を歩くから、人が歩いた後はデコボコになってしまっているんだけど、誰も歩いていない所はすごくキレイなのだ（バージン砂丘だね）。そんな場所を最初の足跡付けながら歩くのは快感だぞぉー。

　これがその尾根なんだが、いやぁー写真が下手で申し訳ない！繰り返すが申し訳ない！

　本物はもっとスゴイんだよーー！

　こんな水のない砂漠のど真ん中に、一本だけ草が生えていた。

　すごいよな。生命力だよな。

　そして、生命力は植物だけではなかった。砂漠の中には小さな昆虫とかトカゲとかもいたのだ。

　んでそのトカゲがねー、いい芸を見せてくれるのだ。

　テレビで時々出てくるだろう。砂漠の生きものどーたらこーたらとかゆうのが。そしてそーゆートコに出てくるトカゲさんとゆうのは普通に立っちゃあいない。砂が熱いから左右の手足（全部足？）を交互にパッパって持ち上げて少しでも熱さを防ぐのだ。で、しまいには足全部上げて腹ばいになってしまう。そーゆーのがよくテレビで出てくるよね。

　それをここのトカゲさんはやってくれたのだ。さすがに腹ばいにはなってくれなかったが、手足を交互にパッパってするのはやってくれた。いやー、ホントにこーゆーことをするんだー。なんか見ててあきないぞ。

　そして、私は人様の見ていない砂漠のテッペンで立ちションベンをいたしました。気ん持ちよかったぞー。

　んで、砂漠で立ちションベンすると、私は砂漠の中にオシッコがしみ込むもんだと思っていた。しかし、実際はそーじゃなかったんだなー。

　砂漠に到達したオシッコが（あー汚い話しで申し訳ない）、表面を砂にコーティングされて固まって、そのまんまコロコロ転がり落ちるのだ。なんか形の悪いワラビ餅みたいだよ。砂漠でショーベンすると、こーゆー風になるんだ。いやあ、なんか又一つ知識が増えたな。

　そして我々三人は、完全に子供に戻って砂漠の中で遊んでいた。

　砂漠のなかに足やら体やらうずめたり（砂漠の中は意外と冷たいのだ）そこら中駆け回ったりテッペンから駆け降りたり転がり落ちたり受け身とったり、ナミブ砂漠が世界一贅沢な砂場と化してしまった。

　これこれこれ、何を駆け降りてるんだか。

　ホントに子供みたいなのだ。

　だ、誰だ？受け身とりながら落ちてってるバカは。

　日本人として恥ずかしいのだが。

　なんか、本当に大満足です。来て良かった！

　ナミビア、ハッキリ言ってメジャーな国ではありません。あんまり旅行する人もいないだろう。

　しかし、私は断言する！ナミブ砂漠を見るだけでも、ナミビアに行く価値はあーーーーる！！！