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 ボツワナに入国したはいいんだけど、ここにきて移動手段がなくなってしまった。普通こーゆー場合はイミグレの出口とかでいつ来るか分からない車を期待して、何人かの人が荷物抱えて待ってるんだけど、ここにはそんな人は一人もいない。

 入国した人は何人もいるんだけど、みんな出口で留まらず、スタスタスタスタ道の向こうに歩いて行くんだ。道の向こうったって何にもないぞ。近くに町なんか無いはずなんだから。

 でも、こんな所に残っててもしかたないよな。私もついて行こう。でも、ドコに行くんだ?ドコに行くのか聞けば話しは早いのだが、私は歩くのが遅いのだ。なかなか追いつけない。けっこう歩いたぞ。2〜3kmは歩いたんじゃないだろうか。

 やっと追いついたのは、なんか公園(保護区?)みたいな所の入り口だった。入り口の木陰で何人もしゃがんで休んでいる。ここはなに?ヒッチハイクのポイント?

 話しを聞くと、やっぱりここがヒッチポイントだった。ここでジンバブエまで行くトラックを待つのだ。待つのはいいけど、車来るのかなー?

 もし私一人だったら心配でオロオロしてるトコだけど、10人ぐらいが待ってるからその点は安心だ。やっぱり何するにしても、仲間がいるってゆうのは心強いね。

 みなさんはこーゆーコトに慣れてるのか、ほとんどの人がお弁当持参だった。私は朝飯しか食ってないぞ。腹へったぞ。分けてほしいぞ。・・・ちょこっとだけ分けてもらった。そのへんからお話しさせてもらったんだけど、この人達はあんまり英語が通じなかった。ちょっとはがゆいぞ。

 でねー、車ねー、なかなか来ないんだよ。やっと来たと思ったら誰も乗せてくれなかったり、1人しか乗せてくれなかったり、なかなか待ってる人数が減らない。

 そのうち大形トラックが来た。荷物満載だ。その荷物の上に何人も人が座っている。まだ乗れるかな?

 みんな群がりましたねー。今までの小型車じゃなくてトラックだもんね、乗せてくれる確率がグンとアップするぞ。

 この時も弱肉強食です。いくら仲良くなったからって誰も遠慮なんかしない。わ、私、チョット遠慮してしまった。これではいけないな。これじゃぁ乗れるわけない。で、やっぱり乗れなかった。甘いわなー、私ゃ。車待ってる人も半分以下に減ってしまった。

 その後もけっこうな時間、車を待っていた。合計何時間ぐらい待ってたんだろう?そして、やっと、やっと乗ることが出来た。やっぱり荷物満載のトラックだ。残ってる人も全員乗れたよ。良かったねー。料金は私も他の人も一律15ナミビアドルだった。

 私ねー、トラックの荷台ってけっこう好きなんだ。景色がよく見えるもの。そして、ボツワナの道、スゴク景色がいいんだ。いかにもアフリカって感じの広々とした景色だ。眺めがいいぞ。道ばたにいる子供達もよってきて手を振っている。風がきついのがたまにキズだけど。

 あっ!ああーっ!ボウシが風に飛ばされてしまった!!しまった!お気に入りのボウシだ!ああ、子供達が拾ってくれたよ。よ、よかったー。ってお前ら!なに車の方じゃなくて林の中に突っ走って行くんだ!お、オレのボウシ返せーー!!

 も、もう遅いよな。トラックが止まるはずもなく、ボウシ拾った子供達はあっとゆう間に見えなくなってしまった。しかしこのトラック、思いっきり飛ばしてるな。ボウシが飛んでってもしかたないよ。荷物が飛ばされなきゃいいけど。

 ゴンッ!!コケーッ!コッケー、コケコケッココケーーー!!!

 い、イッテー。なんかが私の後頭部にぶつかって飛んでってしまったぞ。何だありゃぁ?に、ニワトリだ。ニワトリがカゴに入ったまんま後ろの方にすっ飛んでってしまった。

 ニワトリの持ち主だろうか、おっちゃんがトラックの屋根をドンドン叩いて「止めろー!」とか叫んでる。ってトラック止まってくれないよ。何もなかったように相変わらずすっ飛ばしてる。おっちゃんかわいそうに。でも、オレだってボウシ飛ばされたんだぞ。でもニワトリはなー。あのニワトリはその後どーなってしまったんだろう。

 おっちゃんはあきらめてしまったよ。まあ、トラック止まらないんだからしかたないよなー。ん?しばらくしてトラックが止まってしまった。何だ?もーニワトリは遠くの方だぞ。何で止まって・・・、

 象だ!!象の群れが道を横断している。いやー、こんな所で象に会えるとは。さすがにトラックも止まるよなー。うわー、間近だよ。象だよ。

 そのほかにも色々動物が見れた。シマウマとかインパラとか。いいねー、トラックの荷台でサファリツアーができる。ただ、肉食動物には会いたくないぞ。襲われたらひとたまりもない。

 そんなこんなして、やっと国境にたどり着いた。しかし、乗った時間が遅かったので、着いた頃にはもう日が暮れそうな時間だった。この先、ちゃんと車が拾えるだろうか?ビクトリアフォールズまでたどり着けるのだろうか?

 ま、なんにしても、やっとこさ、

2001年10月4日、ジンバブエ再入国

 ジンバブエビザはお金がいるんだよなー。ここんとこずっと無料ビザだったから、なんかもったいない気がする。

 ただ、ここのイミグレでは色んな通貨でビザ代が払える。これは助かるんだ。他の国のイミグレではUS$しか受け付けないような所もあるのだ。自国の通貨ですら受け付けてくれない国もある。US現金をあまり持っていない私には、そーゆービザ代はちょっと困るのだ。その点ココは隣接した国の通貨でならなんだって使える。ナミビアドルで払うこともできるのだ。私はナミビアドルで払うことにした。

 銀行で全部南アランドに両替えしたつもりが、うっかりしてまだけっこう残ってたのだ。緊急時の為にとっておいたお金をすっかり忘れていた。ランドに替えたお金よりも、残ってしまったナミビアドルの方が多いぞ。ちょっとなさけない。早いトコこのお金を使わなくちゃ、ナミビア以外でナミビアドルは全然使えないんだ。紙屑同然?

 今までの移動代も全部ナミビアドルで払ってた。ビザ代払って後残ってるのは20ナミビアドルだけだ。中途半端な金額だぞ。両替もできないぞ。でもなージンバブエに入ったらもう使えないだろうなー。誰かナミビアに行く旅行者に売ろうかな。

 ま、なんとかなるだろう。そんなことより早く車を探そう。そーしないと今度こそ国境で野宿だ。車待ちの人はそこら中にウジャウジャしている。チャッチャとヒッチしないとあぶれてしまう。野宿はイヤだぞ。


 車来ないよー。来ても乗せてくれないよー。もー暗くなってきちゃったよー。の、野宿か?もうこの際なんだっていい!来る車来る車片っ端から声をかけていった。警察の車にも声かけたよ。警察の車ヒッチしてどーするんだ。ん?乗せてくれるの?え?ホント?ビックフォールズまで行くの?え?違う?警察署まで?

 かまわないかまわない、とりあえず町まで行ければ何とかなるだろう。でも、ココからビックフォールズの間に町なんかあるのかな?ま、いいや、とりあえず乗っちゃえー。

 走り出した警察の車は、イミグレを出たとたん道路を外れていきなり枝道の方へまがってしまった。ど、ドコ行くの?なにこんな変な道走るの?

 車は、あぁっとゆう間に目的地に到着した。イミグレからほとんど離れていない。ココはドコ?キャンプ場?

 どー見てもキャンプ場にしか見えないんだけど、川沿いのキャンプ場にしか見えないんだけど、なんかジーちゃんバーちゃんとか子供もいるんだけど、ココ、ドコ?

 国境警備所?

 ここは川沿いのキャンプ場。じゃなかった、国境警備をしている所らしい。この川(ザンベジ川)には色んな国境が集まってるんだ。ナミビア、ボツワナ、ザンビア、ジンバブエ、4ヶ国の国境がこの川と接している。なので、越境入国だとかなんだかんだと、ココに常駐して日々警備してるそうなのだ。警官の家族とかも一緒に住んでいるらしい。

 スゴイ所だねー。だけど、オレ、こんな所に来てどーすんだ?又国境まで逆戻りか?

「今日はここに泊まっていいぞ。明日の朝、又国境まで連れてってあげる」

 あれまあ、よろしいんですかぁ?それは助かる。そーと決まれば、お散歩お散歩。川の国境を見に行こう。

「おーい、あんまりほっつき歩くんじゃないぞー。ワニが出て食われるぞー。イボイノシシが出て体当たりされるぞー」

 ホント?でも、ちょっとだけ散歩させてよ。なかなかこんな所に来る機会なんかないんだもん。

ザンベジ川の写真

 これがザンベジ川の国境だ。  当然見えないけどいくつもの国境線が入り乱れてるんだろうな。

 あのボートで偵察に行くんだろうか?


 しかし、ココ、警察の施設とは思えないぞ。子供が走り回ってるし、地酒のビン抱えて酔っぱらってるジーさんもいる。とゆうか、半分ぐらいの人がみんな酔っぱらってるぞ。私も飲ませてもらった。けっこうキツイ酒だ。ドブロクみたいな酒だった。

 そーそー、気になってることがあったのだ。ちょっと聞いてみよう。

「ねーねー、今さぁ、ジンバブエドルのレートってどーなってるの?」

「んんー、レートかぁ、今ちょっと悪くなってるぞ。ビックフォールズの両替所で、だいたい1US$が150ジンバブエドルぐらいかなー」

「えぇ?ホント?だって旅行者の話しじゃさあ、1US$が300ジンバブエドルぐらいで両替できるって話しだったよ」

「うん、こないだまではそんなぐらいだったんだ。だけど、アメリカのテロ事件があっただろ、あの事件からドルが少し落ちてねー。今レートが悪くなってるんだ。ビックフォールズは特にレートが悪いんだよ。ハラレまで行きゃあ、200ぐらいで両替できるんじゃないか」

 そーなんだー。まさかこんな形でテロの影響が出るとは思わなかった。しかし、警察官に闇両替のレートを聞く方も聞く方だけど、答える方もどーかと思うぞ。

 ここで一泊さてもらって(但し床で寝袋)翌朝、もう一度国境まで送ってもらった。

お世話になった警察官の写真

 お世話になった警察の人達。いやあ、ありがとうございます。いい経験させてもらいました。


 さてイミグレの所では、いやあ、朝からけっこうな人数の方々がお待ちになっておられる。なんか競争率高そうだ。でも、今回は朝からだから、そのうち車つかまえられるだろう。余裕余裕。

 車はねー、そこそこ通るんだけど、なかなか乗せてくれない。すでに満員の車もあるよ。でも、やっとこさ乗せてくれそうな車があった。ピックアップ代はいくらなんだろう?

「え?ジンバブエドルで払うの?お、オレ持ってないんだけど」

「持ってないのかー。ボツワナの金は?それも無いのか。ランドは?」

「お、ランド、ランドはある。・・・けど、いくら?」

「ランドなら15ランドだ」

「15ランドかー。じゃあ15ナミビアドル!」

「なんだよー、ナミビアドルって!そんなの使えねーよー」

「ええやんかー。南アランドとおんなじやでー。お、ほな20ナミビアドルにしよう!ほれ、20ランドと一緒やでー。メッチャお得やんか」

「えぇー、うーん、まあ、いいか」

 よっしゃ!これでナミビアドル使い切ったぞ。ビクトリアフォールズにも行ける。よかったねー。

 宿に着いたらシャワーを浴びよう!あ、その前にメシだな。はらへったよー。朝から何も食ってないもの。

 さて、おなかすかせて到着したビクトリアフォールズ。大観光地だ。観光客向けの小じゃれた店がそこら中にある。でも、周りは自然に囲まれてるのだ。大自然の中の一角に観光地コロニーがあるって感じだ。ちょっとココ、散歩が楽しそうな町だな。

 しかし、大観光地だけあって宿代が高いわ。けっきょくドミトリーで1泊US7$の宿に泊まった。

 しかし、この宿、すばらしいことに宿代をT/Cで払えるのだ。モチロンUS$のT/Cだ。しかも、なんとお釣をUS$の現金でくれる!100$T/Cで払ったとしたら、93$をお釣でくれるのだ(当然1泊だけではすまないけれど)。

 これはすごい!7$の手数料で現金への両替ができて、その上宿にも泊れる。そんな感じだよ。まさかジンバブエでこんな簡単にUS$の現金が手に入るとは思わなかった。さすが大観光地だね。

 この宿の名前は、分からなかった。だって、ドコにも名前が書いてないんだもん。名無しの宿だね。

 さて、宿も決まったし、さっそくメシ食いに行こう!せっかくジンバブエに戻って来たんだから、最初のメシはやっぱり地元料理のサザだ!



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