ビックフォールズから首都のハラレに移動して来た。２度目の町なのでそんなに道に迷うこともなく（あくまでもそんなに、だが）、宿に到着。当然以前に泊まってた宿、パームロックビラだ。

　宿代がちょっと上がっていた。まあ、こんだけレートが変わったんじゃあ少しぐらいの値上げはしかたないよな。値上げしたといっても、それでも１泊１ＵＳ＄ぐらいだもん。すごく安いよ。

　両替レートもビックフォールズではあまり良くなかったが、ここハラレはそこそこ良かった。正規の銀行で両替すると、１ＵＳ＄で５５ジンバブエドルなのに対し、闇で両替えすると、１ＵＳ＄で約２６０ジンバブエドルにもなるのだ。約５倍の差だよ。すごいよ（滞在する間にどんどんレートが良くなっていった）。

　実は例のテロ事件が起こる前は、もっと、もぉっーとレートが良かったのだ。う〜ん、その時期に入国したかったぞ。

　ところが、少し町をウロチョロしてみたのだが、色んな物の物価が軒並み上がっていたのだ。以前滞在してた頃に比べて、ほとんどが倍近い値段になっていた。

　おいおいおい、いくらレートが良くなったからって、物価が倍になったんじゃぁ同じじゃないか。

　ん？ちょっと待てよ。以前いた時より物価が倍になってるんだ。でも、レートは５倍になってるんだ。とゆうことは、やっぱりまだお得なのか。

　しかし、私ら旅行者はＵＳ＄で両替してるから「レートがメッチャ良くなった！物価が倍でも気になんないや！」とかノンキなこと言ってられるけど、地元の人はたまんないよなー。たかだか３ヶ月で物価が倍になってしまったんだ。良く考えたらとんでもないことだ。暴動がおきても不思議じゃないぞ。

　そのせいかどーか分からないが、ハラレの治安がスゴク悪化していた。以前も治安はあまり良くなかったのだが、以前にも増して悪くなっていたのだ。宿に泊まってた日本人の人達に（相変わらずこの宿には日本人が多かった）ハラレの治安状況を教えてもらった。

　話しを聞くと、夜に少人数で歩いた人は１００％ヤラれてるらしい。１００％だ。私が来る数日前にも、この宿に泊まってた人達が宿のスグそばでヤラれたらしい。

　宿から歩いて３分ぐらいのすぐ近くにファーストフード屋さんがあるのだが、そこで買い物した帰り道でヤラれたのだ。

　道を歩いていると（少し暗い）、路地の方から数人の黒人が飛び出して来てその人達を取り囲んだ。手に手に大きな石（岩？）を持っている。で、取り囲んだ状態で両手に持った石をゴンッゴンッっとかカチ合わせて「おーらおらおら、オノレら金出さんかい。石でドツいたら痛いでぇー」とかオドすのだ。

　そりゃ出さんわけにはいかないわなー。デッカイ石で殴られた日にゃぁヘタしたら死ぬぞ。その人達は有り金とパスポートを取られてしまった。そーゆー被害者がけっこうな数にのぼっている。

　夜は少人数で出歩かない。よーく頭に叩き込んでおこう。すぐ近くにある店、これが曲者だな。「あんな近くなんだから、ちょっと行く分には大丈夫だろう」そーゆー甘い気持ちが事故を招くんだ。

　しかし、危険だからと言って宿でじっとしてたんじゃぁ何のためにジンバブエに来たのか分からない。レートの差額を楽しまなきゃ、アフリカ最安値の国を満喫しなきゃぁ！夜出歩くと非常に危険だが、昼間歩く分には大丈夫なはずだ。変なコトしなきゃあ、多分大丈夫なはずだ。と思う。

　さて、そーゆーことで、高級料理でも食いに行くか！

　へっへっへー。お昼ご飯をねー、シェラトンホテルで食うことにしたのだ！シェラトンだよシェラトン。あの超高級ホテルのシェラトンホテルだ。しかもお昼ご飯はビュッフェ形式の食べ放題だ！食べ放題で料金は７７０ジンバブエドル。ＵＳ＄で換算すると、３＄しないのだ！

　あなた、あの高級ホテルのシェラトンで腹イッパイの食べ放題で３＄しないのだ！もう、完全に闇両替マジックだね。

　当日は、朝から何にも食わずにシェラトンへと出動した。

　さすがにシェラトンホテルへ行くんだから、普段のボロボロなカッコじゃダメだよな。リュックサックの中引っかき回して、なんとかマトモなＴシャツを引っぱり出して（キレイな服、とゆうのは存在しない）、サンダルじゃなくて靴を履いて行こう。

　いやーシェラトンホテル、初めて中に入りました。けっこう緊張するね。入り口の服装チェックで入店断られやしないかと少し心配したが、そーゆーコトもなく、実に丁寧な対応で迎えてもらったよ。さすが高級ホテルだね。

　さて、肝心の料理ですが、料理なんですが、種類はイッパイあった。量もイッパイあった。で、当然おいしかった。うん、みんなおいしかったんだ。

　でもね、なんか物足りないのだ。

　私は高級ホテルのレストランなんて所でメシを食うのは初めてだった。初めてなりに高級な料理ってゆうのを想像してたのだ。一口食うと、「う〜む。これはマッタリとしてどーのこーの」なんて言葉が口をつくぐらいの感動的な料理が出てくると思ってたのだ。

　んでも、実際は、「まあ、そこそこウマイな」なんてぐらいだった。まあ、食い放題の料理にそんなに期待するのもおかしいのだろうが。

　さて、腹イッパイになったし、デザートでも食って帰るか。

　とか思ったら、デザートがこれが又うまそうなのだ！ケーキだケーキだ！ケーキだ！しかも種類イッパイ！メッチャいっぱい！！

　しまった！メシ食うのをもーちょとセーブしときゃあよかった。腹イッパイであんまり食えないぞ！しかたない、とりあえず三つぐらい食っとくか。

　ンマイ！！これはウマイ！！デザートは文句無くウマイ！！いよいよしまった。腹パンクしそうでこれ以上食えないぞ。まだ食ってないのが何種類も残ってるのに。

　いくら食い放題とはいえ、イッパイ頼んで残す。なんてゆうのは私の主義に反する。でも食いたいぞ。食いたいぞ。とりあえず、あと一つだけ食おう。

　その後、私はホテルのプールサイドで背中丸めてうずくまっていた。食い過ぎで身動きとれなかったのだ。隣では欧米のスカした兄ちゃん姉ちゃんが優雅に日光浴してるってゆうのに。

　さて、朝とか昼飯はいいのだが、晩飯となるとちょっと問題だ。メシ食いに外に出る。→強盗さんにヤラれる。とゆう図式が成り立つのだな。そんなわけで、晩飯は自然と宿に泊まってる連中何人かが連れだって食いに行くようになった。遠い店にはタクシー横付けだよ。人数多いしタクシー代も安いから、なんぼでもタクシーが使える。

　で、せっかく大勢で行くのである。やっぱりよりウマイ物が食いたいよな。そんなわけで、これ又自然に毎回食う店を替えて、よりウマイ店よりウマイ店を探すようになった。

　連日連夜グルメ散策ツアーだよ。もう、私らハラレのウマイ物屋さんには詳しくなったよー。ハラレ、レストランガイドマップが作れそうなぐらいだ。

　そんな中で特にウマかったのがねー、なんといっても中華料理！！

　長城飯店とゆう店なんだけど、これがまーーウマイ！！この店に行く時はいつも１０人近くで行くんだけど、ヤッパ中華料理は大勢でワイワイガヤガヤして食うのが一番ウマイ！大勢で行くので色んな料理が食えるのもいい！この店はそこそこ高級料理屋なんだけど、全員が腹イッパイ食ってビール飲んでデザートまで付けて、５＄を越えたことがなかった！なんてシヤワセなんでしょう！

　その他にも、宿の近所のポルトガル料理屋さん。ココもウマイ！ポルトガル料理って食ったことなかったのだが、なんか、普通の洋食とそんな変わんないぞ。普通に出されたらポルトガル料理だとは気付かないと思う。だけど、ココは肉がうまい！！ステーキだステーキ。牛だよ牛。久々の牛肉はうまかったぞぉー。

　あとココはねぇ、デザートのプリンがうまかった！モロゾフプリンとか言ったのだが、何か、普通のプリンとは全然別物なのだ。何か、食ったら口の中で無くなるのだ。あーー意味が分かんないだろうが、とにかく不思議なうまさだったのだ。プリンがシュワシュワしてたのだ。ムースみたいなプリン？でも歯ごたえはプリンで食うと口の中で無くなって、とにかくウマイのだ！！

　それからイタリヤ料理屋さん！ここのパスタがまーーーーウマイ！！自家製パスタで何種類もあるのだが、どれもこれもまーーーウマイ！毎回違うパスタを試してたよ。こんなウマイパスタがたったの１＄！もーたまりませんね。闇両替さまさまだ。

　こんな感じで食べ歩くと、最初に行ったシェラトンの影が薄くなってきた。「あんなもの、量が多いだけで味はイマイチだね」とかなんとか、みんなでシェラトンをコケおろしていた。

　前にレストランガイドマップが作れそうと書いたが、実際にみんなで作ってしまった。こんなスバラシイ食生活を後に来る旅行者のために残そうとゆうことになったのだ。

　みんなでワイワイガヤガヤ作りましたよ。それぞれの店に得点なんか付けちゃったりなんかして。宿に置いてある情報ノートに書き込んだのだが、その名も『ハラレ食生活向上委員会がおおくりするハラレうまい物マップ』けっこう力作だぞ。

　この委員会の名前の由来なのだが、エジプトのカイロにサファリホテルとゆうのがあるのだが、そのホテルに『サファリ生活向上委員会』とゆうのが発足されているのだ。宿の長期滞在者が中心となって、ホテル内の生活を快適にするために色んなことをやっているそうだ。この宿、旅行者の間ではかなり有名な宿なのだ。

　今、ここパームロックビラに泊まってる人の中にも、サファリに泊まってた人が何人もいたのだ。で、どーせならこーゆー名前にしよう。とゆうことになった。私も、このままの予定だとカイロまで行くことになる。きっとそのサファリホテルに泊まるだろう。いったいどんな宿なんだろう？今から楽しみだね。

　ところで、わたくし、なにもハラレでメシばっかり食ってたわけじゃない。なんと、ハラレで柔道の練習をしていたのだ。

　この町で地元の人に柔道を教えている日本人がいるのだ。６０才ぐらいの人なのだが、なんと柔道七段！時々宿に顔を出して「おーい、誰か柔道やるヤツはいねーかー」とか勧誘してるのだ。

　実は、私、以前にちょびっと柔道やってたのだ。弱かったけどさ。少しばかり運動不足だったし、やっぱり柔道が好きなので参加することにした。他にも何人か参加したんだな。

　で、練習始めたのだが、これがまー、わたくし、体がついていきません！よる年波にはかないません。もーヘロヘロだわ。組んでるんだかぶら下がってんだか分かりゃしない。白帯の人はなんとか投げれたものの、黒帯の人はダメだね。まぁったく歯が立たない。コテンパンだよ。でもね、やっぱり楽しかったのだ。まさかアフリカで柔道ができるとは思わなかった。

　そしてここで柔道教えている七段の達人、練習が終わるといつも練習生に酒をおごってあげるのだ。わ、わたくし達も毎回お呼ばれさせてもらった。運動して疲れた後のビール！これこそ人生のシヤワセだね！

　この七段の人以外にもう一人、日本の青年が柔道を教えているのだ。

　この人は海外青年協力隊（ジャイカ）のメンバーで、柔道を教えるためにジンバブエに来てるんだって。何年かここで柔道教えたら日本に帰って、又別の人が柔道教えにやって来るそうなのだ。

　なんか、ジャイカって名前だけは知ってたけど、どーゆーシステムになってんだか全然知らなかった。色々と教えてもらったよ。ほんで又この兄ちゃんがムチャクチャ強いのだ！なんか、この兄ちゃんと組んでると大木相手にしてるようだった。

　一度ぐらいはこの人や黒帯の人を投げたかったのだが、それは無理とゆうものであった。

　さてさて、こーゆー楽しい生活を満喫してたのだが、そんな平和な我が宿にドロボーさんが入った！

　この宿の一階の窓にはドロボーが入れないように鉄格子風の枠が付いてるのだが、その枠の間から手を入れて、リュックサックの中の荷物をまさぐっていたのだ。窓の近くにリュックを置いていたのがマズかった。

　それが夜中である。部屋の人が物音に気付いて目をさましたら、窓の外のドロボーさんと目が合ってしまった。

　おどろいたよ、二人とも。そして何を思ったか、ドロボーさんは指をピストルの形にして部屋にいた人に向け、「お、オレはピストルを持っている。じっとしてなきゃ撃つぞ」とか言ったのだ。あんた、ハッタリかますにしてももーちょっとましなハッタリかませよ。指差してピストルも何もないもんだ。

　当然部屋の人は大騒ぎして、ドロボーさんは盗んだ荷物抱えて逃げてしまった。

　普通こーなってしまったら取られた物は出てこないのだ。なんたってジンバブエの警察は役に立たないことで有名なのだ。

　ところが、実に運が良かったことに、たまたま警官が宿の近くを見回っていたのだ。そして、あぁっとゆう間に捕まえた！取られた物も全部戻ってきた。

　いやあ、実に運が良かった。被害にあった人も喜んでたよ。しかし、一番喜んでたのは警官だった。

「いやーーオレ初めてドロボー捕まえちゃったよ！すげーよオレ！おい！ビールおごれビール！」

　なんで被害者がビールおごらなきゃならないんだ？とか思ったのだが、等の被害者は、いやがることなくビールをおごってあげた（この被害者の人、実にいい人なのだ）。

　翌朝、宿の住人全員でその話しで持ち切りだよ。実は私、昨夜は寝ぼけてて何が起こってたのかほとんど理解してなかったのだ。今朝になってよーやく話しを聞いて理解できたのだ。

　あんれまあ、ドロボーが入ったのか。でもまあ、何も取られなくて良かったよね。スゲーラッキーだよ。これからは窓の近くに荷物は置かないようにしよう。ドミトリーだけど、外出する時はなるべくカギをかけるようにした方がいいよねー。

　そんなことを話ししてた。それで丸くおさまるはずだった。はずだったのだが、丸くはおさまらなかったのだ。

　捕まった犯人が「オレは犯人じゃねー。なんにも盗んでねー。ただ道を歩いていただけだー」とか言い出したのだ。盗んだ物持ってたくせに。

　で、警察が宿にやって来て「今度裁判をすることになった。あんたら、証人で出てくれ」とか言うじゃない。さ、さいばんんー？しょ、しょうにんんー？

　裁判ったって証人ったって、いったいどーすりゃいいんだ？全然わかんないぞ。こ、こーゆー時は最後の手段だよな。日本大使館に泣きつくしかないよ。

　普通、こーゆーことで大使館に行くとイヤミとか何とか言われるのだ。ところが、対応してくれた大使館員の人達、これが又みんないい人達なのだ。親身になってくれて、しかもざっくばらんな人達なのだ。

「あんたらドコで両替してるのー。当然闇でしょー。おーあそこで両替してるのか、あそこはレートがいいもんねー」

　とか、大使館員にはあるまじき発言をするいい人達なのだ。なんか、アフリカの日本大使館員、いい人が多いぞ。私達はすっかりこの人達にまかせてしまった。裁判の段取りから通訳の人の手配から何から何まで。ホント、お世話になりました。

　さて、そーゆーことで裁判当日。証人に出るのは被害にあった二人だけなのだが。当然ながら何人も見学に行きましたよ。あんた、こんなアトラクションなんかめったに無いんだから、見に行かないわけないでしょう！

　被害にあった二人の人なんだけど、一人は、なぜかヤリとタイコを持って旅行しているマグカップさん。この人がまーいい人なんだ。この人のリュックには、わけの分かんない物がイッパイぶら下がっている。後ろから見ると満艦飾だよ。

　もう一人が、元看護婦さんのＡ子ちゃん。なんか、やたら明るい人なのだ。いっつも笑っている。

　別にこの二人はカップルじゃなくて、偶然同じドミトリーに泊まってたのだ。こーゆーのはよくあるのだ。男女別のドミってのもあるが、ほとんどが適当に宿に来た順にドミへ突っ込むのだ。

　この二人と野次馬数人で裁判所へ出動だ。なんか、みなさんテンション高いぞ。私は当然カメラ持参だ。でもねー、裁判中は写真撮れないのだ。当然と言えば当然なのだが、ヤッパ写真は撮りたいぞ。なので、裁判が始まる前に、まだ裁判官とか傍聴者が来る前に法廷内で写真撮らせてもらった。

　これから裁判が始まるってのに、みんなニコやかなのだ。

　写真撮った後もかなり待たされたのだが、傍聴者も集まって来ていよいよ裁判開始だ。始まったはいーのだが、全部ジンバブエ語だ。何言ってんだかさっぱり分からないよ。ちょっと退屈だぞ。

　アクビが出始めた頃、やっとマグカップさんとＡ子ちゃんの登場だ！拍手したいぞ。でも我慢したぞ。

　まず初めに宣誓をするのだ。「私ゃこの裁判でウソなんかつかないよ〜ん」てなことを言うのだ。証人喚問でしゃべる内容は通訳の人が通訳してくれるのでいいのだが、宣誓だけは本人がしなきゃならない。これは英語でいいそうだ。しかも、通訳の人が先に言って、それを復唱する形だ。お、始まった始まった。

　最初はマグカップさんからだ。ちょっと緊張してるぞ。右手を上げて宣誓文を復唱している。う〜ん、真剣な顔だ。しゃ、写真撮りたいぞぉー！

　続いてＡ子ちゃんの宣誓。マグカップさんとは打って変わって満面に笑みを浮かべている。目がキラキラしてるぞ。あ、あんたなぁ、そんなニコニコ顔で法廷で宣誓するの、世界中であんたぐらいだぞ。しゃ、写真撮りてぇーー！

　宣誓が終わった後、いよいよ証人喚問だ。二人交代で当日起こったことを説明をしている。さすがにＡ子ちゃんもこの時ばかりは真剣な表情だ。その後に、いよいよ本日のメインイベント、「私は見た、犯人はこいつだーー！」とかやるんだ！とか思ったら、なんと状況説明だけで今日の裁判は終わってしまった。犯人なんか一言もしゃべってないぞ。何で？もー終わり？

　大使館の人に聞くと、やっぱり今日はこれで終わりなんだそうだ。来週又あって、そこで犯人の証言とかをやるらしい。

　これは困った。来週には私らは大勢でチマニマニ国立公園へ行くことにしてるのだ。マグカップさんもＡ子ちゃんも行くことになっている。チマニマニ行き延期になるのか？

「いや、次回はあんたらは別に来なくて大丈夫だよ。ジンバブエの裁判も長引くからねー、全部出廷したんじゃあドコにも行けなくなっちゃうでしょ」

　え？いいの？全部お任せしてしまっていいのだろうか？証人は必要無いの？

「うん。証人とかいないと、ひょっとしたら犯人は無罪になっちゃうかもしれないけど、まあ別に何か取られたわけじゃないし、無罪になってもいいでしょう。ジンバブエの牢屋ってかなり環境劣悪だから、そこで何日もすごしてるんだから、それで許してあげてもいいんじゃないかな」

　ふ〜ん、そーゆーことなんだー。被害にあった二人も、それで納得したようだ。裁判で身動きとれなくなるよりも、そっちの方がいいもんね。

　そーゆーことで、大使館の人には誠に申し訳ないが、後は全てお任せして私らはチマニマニ国立公園へ出発することにした。

　お世話になりましたー。ありがとうございまーす。後はよろしくお願いしまーす。

　まさにおんぶにだっこだね。ホント申し訳ない。ありがとうございました。