チマニマニを後にして、私はムタレの町へと向かった。ココも中々素敵な町だった。

　ここは適度に田舎のはずなんだけど、チマニマニ村から来るとすごい都会に思える。色んなお店屋さんもあるんだ。私はここでサンダルを買ってしまった。物価安も手伝ってけっこう高級なのを買ってしまったよ。そして、嬉しいことに、ココにはクリーミーＩＮＮがあるのだ！！

　クリーミーＩＮＮ。これはねぇ、ソフトクリーム屋さんなんだ。メッチャおいしいぞ！ハラレにもあってよく食っていた。その名の通りすごくクリーミーなんだ。この店があるだけでも嬉しいね。

　ココはなんか、いーバランスの町だ。大通りを歩けば都会の雰囲気だし、少し道を外れただけで緑イッパイの場所もある。散歩が楽しいね。

　ココに泊まった宿は旅行者から教えてもらった宿だったんだけど、なかなかいい宿だった。大っきい犬もいてねぇ、遊ばせてもらったよ。ミセスアンブルースとゆう名前だったけど、何故か壁に中国語で何とか飯店って書いてあるのだ。

　ここは私のお気に入りの道。

　木に咲いている真っ赤な花が道端に積み重なっていてキレイなのだ。

　しばらくこの町に滞在した後、もう一つ別の町に行ったんだけど、なんかさっさとハラレに引き返してしまった。なんかハラレが、あの宿が恋しかったんだ。

　久々に戻ったハラレのパームロックビラ、又宿代が値上げしていた。まあ、この物価じゃ仕方ないんだろうけど、ドコまで値上げするんだ？

　宿にはチマニマニメンバーがほとんど戻っていた。新しい旅行者とかも来てたよ。そして又、新たな合宿生活が始まったのだ。

　そして、食事事情がちょっと変わっていた。ココにも自炊の波は来ていたのだ。ウマイ物探して食堂を渡り歩くのは影をひそめ、市場で高級食材を買い集め、宿での自炊が流行っていた。

　何たって物価は死ぬ程安いのだ。とんでもなく高級な食材が買える。そして料理人は凄腕連中が揃ってるのだ。

　特にうまかったのがお肉！！ほぼ最高級の肉だよ。もし日本で食ったらとんでもない金取られそうな高級肉だ！もう、やわらかいの。おいしいの。たまらないの。

　なんかねぇ、連日連夜豪勢な夕食だよ。自炊に飽きるとレストランに行ってウマイ物食って又自炊してウマイ物食って又食って食って。しびれる程シヤワセな食生活だ。

　アフリカでもジンバブエから北は食事事情が悪いのだ。北へ行けば行く程悪くなっていくらしい。ココでいい食い物を食い溜めしとかなきゃあ。

　おいしい物を食い楽しい話しをする生活が続いたある日、とうとうウチのメンバーが強盗にヤラれてしまった。あまりにも楽しすぎて警戒心が薄れてしまったのだろう。宿のスグ近所でヤラれてしまったのだ。

　宿から歩いて３分ぐらいのすぐ近くにファーストフード屋さんがあるのだが、そこで買い物をした帰り道でヤラれたのだ。

　そう、以前他の旅行者がヤラれた場所と同じ場所だ。手口もほとんど同じだった。

　ヤラれたのは二人。時間は午後７時ぐらいだ。あたりは暗い。

　二人で歩いていたら後ろからジンバブエ人が声をかけてきたそうだ。

「ハハ、ハロー、マママ、マイフレンド！」

　やたらあせっているヤツだった。「ん？こいつ、何か変だぞ」そう思った直後、後ろから別のヤツに思いっきり突き飛ばされたのだ！そして道に倒れた時、又別のやつが駆け寄って来た。手にデッカイ石を持っている！倒れてしまった人の後頭部にそのデッカイ石を両手でかかげたのだ！そしてあっとゆう間に大勢の黒人に囲まれてしまった。他にも石を持ってるヤツがいる。

　もうこうなっては身動きできない。倒れていないもう一人の人が下手に抵抗でもして石を落とされてしまったら、大怪我だけじゃすまないぞ。

　しかも石を持ってるヤツが涙目なんだ。しかもガタガタ震えている。襲ってる方も余裕なんかありゃしないんだ。

　完全に無抵抗で両手を広げた。「何でも好きなだけ持って行け！」とゆうように。金目の物からバスのチケットから全部取られてしまったけど、幸いにして二人ともたいした怪我はなかった。

　いやー、やっぱりジンバブエ怖いわ。ホント油断は禁物なんだ。

　そーゆー事件があったからとゆうわけではないが、宿にいる日本人が次々に旅立って行った。なぜか出発の時期とゆうのは重なるんだ。目的地が同じじゃなくてもね。旅立とうとゆう気持ちが伝染するのかな。

　さて、そろそろ私も出発しよう。でも次はドコへ行こうかな？一応北上してタンザニアへ行くんだけど、ジンバブエからタンザニアに行くには三つのルートがあるんだ。

　マラウィ経由でタンザニアへ入国するルート、ザンビア経由のルート、そしてモザンビーク経由のルートだ。

　まずマラウィなんだけど、ココ最近治安が悪化しているらしい。ついこないだも日本人が殺されかけたのだ。

　マラウィの首都まではバスで行くんだけど、このバスがちょっとした町外れに停車するんだ。小さな橋を渡らなけりゃ町中まで行けない。しかもバスは夜遅く到着するんだ。必然的に荷物を抱えて暗い中小さな橋を渡らなきゃいけない。そこに目を付けたのが強盗さんだ。旅行者が橋を渡るのを待ち伏せし、橋の前後から数名で挟み撃ちにするのだ。

　その殺されかけた日本人は、抵抗してしまったためにナイフで刺されたのだ。ナイフは肺にまでたっし、肺に穴が開いてしまった。幸いその日本人は一命を取り留めたのだが、何日も集中治療室で生死をさまよっていた。

　しかも襲った強盗は何も取らずに逃げてしまったのだ！きっとナイフで人を刺すってゆうことに慣れてなかったんだろう。ビビってしまって逃げたに違いない。百戦錬磨の強盗よりもこーゆー素人強盗が一番怖いのだ。加減も何も全然分かってないのだ。

　最近、この橋の上で襲われる旅行者が後をたたない。

　イヤダイヤダ！マラウィなんかには行かない！

　次はザンビア経由なんだが、ザンビアってあんまりいい評判を聞かないのだ。物価は高いクセに見所が全然無いそうなのだ。ほとんどの人が単なる通過国としてとらえている。その割にはビザ代が高かったりするんだ。

　で、最後に残ったのがモザンビークなんだが、モザンビークの情報を持ってる人が全然いなかった。あんまり人気がないのかな？

　しかしこのモザンビーク、すばらしい利点があった。この国だけビザ代がジンバブエドルで払えるのだ！ジンバブエドルで払ったらビザ代はたったの数百円だよ。もう、モザンビーク行きに決定だね。

　この国は国境でのビザ取得ができないので、ハラレにあるモザンビーク大使館までビザをもらいに行ったのだが、この大使館、仕事が遅い！なんか大使館の周りにイッパイ人が並んでたよ。みんなビザもらいに来たのか？な、何分ぐらい待たされるのだろう。

　結局４〜５時間待たされちゃったよ。係りの人すんげぇ動作が遅いんだ。ほんとイライラするぞ。モザンビーク、すべてがこんな調子だろうか？ちょっと心配だぞ。

　モザンビークまで行くピックアップはムタレの町から出ている。ムタレの町はモザンビークの国境近くの町なのだ。

　またムタレに行くのか。まあ、悪い町じゃないからいいけどさ。

　宿に残ってる日本人がほとんどいなくなった日に、私はムタレへと出発した。明日には最後の日本人も出発してしまい、宿には一人の日本人もいなくなってしまう。

　あんだけいた日本人が一人もいなくなってしまうのか、なんか寂しいな。私が最後まで残らなくてよかったよ。最後に一人で取り残されたら、あまりにも寂しすぎるもの。

　さて、気持ちを切り替えてムタレだ！今度は夜行電車じゃなくてバスで向かった。同じ乗り物だと芸がないものね。

　ムタレで数日過ごし、手持ちのジンバブエドルが底をついた頃、国境行きのピックアップに乗った。国境まではあっとゆう間だったよ。

　出国手続きも無事終わり、いよいよモザンビークだ！

　おまけのムタレの写真。

　なんかのんびりしてるのだ。

　もひとつオマケ写真。

　これはハラレにあるちょっと有名な観光地だ。

　ものすごいバランス感覚で石が、とゆうか岩が積み重なっている。

　この石、ジンバブエ通貨のデザインにもなっているのだ。

モザンビーク編へ行きます