さあ、カンボジアへ行こう！カオサンにある旅行代理店をいくつかまわってバスのチケットを確認してみた。どこの店も、朝７時カオサンロードにミニバスが来て、そのまんまカンボジアのシュムリアップとゆう所まで連れてってくれるそうだ。料金は、どの店も申し合わせたように一律500バーツ（約1,500円）だった。みんな同じ料金ならばと、一番可愛らしいお姉ちゃんがいる旅行会社で手配しよう。
お姉ちゃんが言うには、お昼頃には国境に着いて出国と入国の手続をした後はカンボジア側の旅行会社に行き、そこで別の車に乗換えてシュムリアップを目指す。シュムリアップには夕方には着くわっ。と言っていた。
あんまり言葉が分かんないので、必然的に顔を近づけて（近づける必要はあまり無いような気がするのだが）見つめ合って話すもんだから、オヂサンは嬉しくなっちゃったよ。ダメ元で「まけてっ」って言ったら５０バーツまけてくれたし（これは正しくビール代に致しました）これで気持ち良くカンボジアにいけそうだ。
さて、翌朝。寝不足と二日酔いとゆう最悪の体調で指定された場所へ向かう。カンボジアへ向かうらしき人達がタムロしていたが、けっこう多いな、２０人ちかくいるんじゃないだろうか？こんだけの人数がミニバスに乗ったら超満員になるんじゃないか？とゆう心配をよそにバスが３台も来た。
頼んだ旅行会社毎だろうか、それぞれ分乗してカオサンロードを後にする。
さあ、まずは国境を目指して出発！・・・これがまあ、超快適！バスは乗り心地がいいし道路も舗装された素晴らしい道路で、快適なドライブのようだ。寝不足と二日酔いで、国境までほとんど熟睡してしまった。で、国境に着いたのはお昼過ぎだ。
ここがタイ側の国境（こんな所撮影していいんだろうか？
こそっとカメラ出して、こそっと撮ってしまった）。
右の方がイミグレーションになっていて、出国の手続をするんだが、なんか、のんびりしている。地元の人達だろうか、タイ側もカンボジア側もお構いなしに行き来している人達がいた。私らがやったらえらい目に合うだろうな。そして、向こうの方にカンボジア側の国境が見える。その間は中立地帯だ。なんか不思議な感じだ。
えーと、まずタイ側のイミグレーションに行って出国手続だ。パスポート出して出国印押してもらって、何の問題もなくアッとゆう間に終わってしまった。
次は、中立地帯をトコトコ歩いて国境を渡る。ドーって事はないんだが、やはり国境を歩いて越えるのは気持ちがいい。本当はもっとゆっくり歩きたいんだが、一緒に来た人達が速足で行くもんだから私もつられて早歩きになってしまった。
スタートの時こそ旅行会社毎に別々で行動してたんだが、ここに来たら完全にゴチャマゼだ、全員で一緒くたに行動していた。もはや誰がどこのグループだか分かんなくなっている。
さて、今度はカンボジアのイミグレだ。事務所で入国カードをもらってそこに色々書き込む。よく飛行機の中で書かされるアレと一緒だな。いきなり出されると良くわからない所もあるんだが、・・・いつもの私の書き方だけど、
『わかんない所は書かない』
い、いいのだろうか、これで？そのうち痛い目に合うんじゃないか？でも、いつもそれで出して何の問題もないんだよなー。必要な所は係のオッちゃんが質問して書いてくれるし、そうじゃない所は空欄のまんまだし・・・。今回もけっこう空欄があったんだが、なーんにも聞かれずに無事入国印を押してもらった。押してもらやぁこっちのもんだ！さあ、こっからはカンボジアだ！！
バンコクからやって来た連中とゾロゾロ歩いてカンボジア側の旅行会社に行く。ここで次の車を待つそうだ。次も車は３台で、分乗の仕方は・・・早い者勝ちらしい。うーーん好きだな、こーゆー適当なのは。
そこでお茶を飲みつつ待っていたら、１台目の車が来たらしい。みんなで見に行ったんだけど、・・・く、車って、これトラックじゃないの？しかも小型の。これで行くの？でも、どーやって乗るの？タイでもトラックに乗った事があったけど、その時はもっと大型のやつで荷台に客席を作っていたが、これはどっからどー見てもただのトラックじゃないか。運転席の後ろに申し訳程度の座席があるが、こんな所に全員乗るのは無理だぞ？おい、どーすんだ？
「荷台に乗れ！荷物も荷台だ！」
おいおいおい、冗談だろ？この荷台、本当に荷台だぞ。下、鉄板だぞ。それに、すげー狭いぞ。
周りの人達もみんな笑ってる。そりゃそーだ、誰だって冗談だと思うだろ。そりゃそーだ。そりゃ・・・あの、冗談じゃないの？本当にここに乗って移動するの？すごく遠いんだろ？道だって悪路だって聞いてたぞ。
・・・なんか、みんなが、荷台に荷物を入れだした。乗るの？観念したのかな？ありゃありゃ乗り込んじゃったよ。
結局、運転席の方に２人、その後ろの席に４人（ハッキリ言ってギュウ詰めだ）。
そして、荷台には約１０人！ものすごい状態で出発してしまった。
荷台に入りきれず、外側の人は荷台の縁に腰掛けている。この状態で何時間揺られるのだろう？
今思い返すと、このトラックあまりにも人数が多すぎやしないか？トラックは３台来るはずだろ？もっと要領良く分乗すれば大分楽になったんじゃないだろうか。早い者勝ちってのが悪かったのか？・・・あっ、後のトラックに乗ればよかった！必然的に人数が少ないから、もっと楽だったはずだ！・・・残り物には福があったんだなーーー。
さて、真っ先に最初のトラックに乗り込んだ業突張り連中を乗せてトラックは走りだした。
カンボジアの道は非常に悪路と聞いていたが、確かに舗装されていたタイ側の道路と違い、国境を出たとたん埃まみれの地道が続く。国境付近にはそれなりにお店があったり市場みたいなのがあったんだが、そこを過ぎると、もう何にもない！ひたすら道だけが延々続いている。そして！！この道が常識をあざ笑うかの様な超悪路なのだ！！！
普通、悪路つったらデコボコ道でしょ、そこら中に穴があいてて。でも、カンボジアのは穴じゃないんだ、クレーターだよありゃあ。だってトラックよりも大きな穴がそこら中にあいてるんだ！本当にデッカイんだよ。そのクレーターを迂回しながら進むんだけど、道幅のほとんどを占めるような大きな穴ばっかりだから迂回しきれずに突っ込んで行くんだな、クレーターに。
前傾45度の体勢でクレーターに突っ込む。荷台の連中がトラックの縁や床の出っ張りや隣の人にしがみついて「キャーーーー！」とか絶叫する。クレータを脱出するために逆45度の体勢で飛び出す。荷台の連中は逆に揺られて又々絶叫する。トラック全部がクレーターに突っ込む分にゃあまだいいが、右半分とか左半分だけ突っ込むときもあるんだな。右45度とか左45度に傾くんだよトラックが！ひっくり返るかと思ったよ。誰かが引っぱってやらないと縁に座ってる人は落っこっちゃうよ！
何だこれは？罰ゲームか？ジェットコースターよりすごいぞ。気を許すと振り落とされるぞ！
みんなの顔を見ると・・・笑ってる、それも大爆笑だ。もう、ナチュラルハイ状態だよ！笑わなしゃーないで！！おいおいおい、踊ってるヤツもおるで。お前、そのうち落ちるぞ。
こんな道が延々と続く。そりゃあもう延々と。しかも、ものすごい砂埃だ。舗装なんて一切されてないから、トラックが巻き上げる砂埃がもろに荷台に襲いかかって来る。そして、スピードが遅い！クレーターのせいでスピード出せないのはよく分かるんだけど、時速30kmも出てないんじゃないだろうか。国境からシュムリアップまでかなりの距離だと思うぞ？本当に夕方までに着けるのか？
・・・人間とゆーのは物凄いもので、2時間もするとこの揺れに慣れてきてしまった。皆さんけっこう余裕が出てきて、荷台の中で色々お話しが進む。それぞれの名前や出身国の事や。そして、どこでどーゆーふーにそーなったのか、各国お国自慢歌合戦になってしまった。
おーーい、オレは日本代表か？日本人はオレだけだぞ！歌うのか？あーーー、言い出しっぺがいきなり歌いだした！お前が歌いたかっただけじゃないのかー？
いやーー、出る出る歌が。カナダの歌やらブラジルの歌やら韓国の歌やらどこかよく分からない国の歌やら・・・日本の歌やら。
なんだかんだで全員2回ずつ回ってきた（何回も歌う奴もいたが）。そして、歌の次はゲーム合戦になってきた。おーーい、この揺れの中で何始めるんだぁーー？
・・・なんだかんだ騒いでるうちにトラックが停止した！おおぉっ？着いたのか？ここがシュムリアップかぁ？時計を見ると5時前だ。おーーー、予定どうりじゃないか！
もーーみんなクタクタだ。一休みしてから宿探しでもするか。・・・ん？何？旅行会社の人が「こっちへ来い」って言っている。えっ！うそ！乗換え？車替えるの？ここがシュムリアップじゃないの？
ほかの旅行者に聞くと、どうもここはシソポンとゆう町らしい。シソポン。・・・地図で確認したんだけど、もし、もしここがシソポンだとしたらさー、そーだとしたらさー、まだ、３分の１ぐらいしか進んでないじゃないか！おい！どーなってんだ！？夕方にゃぁ着くんじゃないのか！か、体もたないぞ。
