リージャンを出てから何ヵ所か中国の町を巡った。しかし、どこもイマイチだったのだ。リージャンの印象があまりにも良すぎたので、ほかの町が色あせて見えてしまったのだ。しかし、そんな中にあって、やっとリージャンとタメを張れる町に出会った。陽朔(ヤンシュオー)とゆう町だ。

　ここは桂林からバスで一時間ぐらいの所だ。桂林で川下りをしたとき、終点で船を降りる場所なのだが、私も一度来たことがあったはずだ。しかし、その時は土砂降りで町なんか全然見なくてバスで桂林に帰ってしまったのだ。今思えばなんてもったいない！

　桂林の町より百倍いいぞ！宿だって安宿がいっぱいある。そして、町の景色が最高なのだ。桂林特有のとんがった不思議な山が町から見え、のどかな町並みがありぃーのツーリスティックな洒落た町並がありぃーのちょっと歩けば田んぼや森がありぃーの、散歩してて「なんだここは！メッチャいいヤンケー！！」と叫んでしまった。

　そして、ここの過ごし方で一番イイのは自転車借りてのツーリングだ。ちょっと遠出しただけで、スンばらしい景色が眺められる。ちゃんとしたツーリングコースもあるらしいのだが、適当に走ってるだけでもメッチャクチャ楽しい。それからなんと言っても食いモンがウマイのだ！

　ドコでナニ食ってもウマイぞ！屋台で売ってるお菓子もうまいし麺類もうまいし主食もウマイ！メニューがある食堂もあるのだが、道端の屋台メシがとってもウマイ！

　素材が丸見えだからその辺の物指さして適当に作ってもらったら外れナシだ。お客さんが食ってるウマそうなヤツ指さして作ってもらってもいいし、ここでの食生活はかなり充実したいた。

　あと、なぜか陽朔の町の人は、英語ペラペラの人が多いのだ。ほかの中国の町じゃあ英語がしゃべれる人はほとんどいなかったのだが、この町はその辺の駄菓子屋のオッチャンでさえ英語がしゃべれる。私なんかよりもよっぽどうまいぞ。

　最高の景色とうまいメシとスムーズなコミュニケーションで、私の陽朔生活はシヤワセだった。

　しかし、そのシヤワセな生活も、4月までだった。5月の1日から1週間、中国のゴールデンウイークが始まったのだ。

　中国にもゴールデンウイークがあって、日本とホボ同じ時期だった。そして、ゴールデンウイークが始まったとたん、陽朔の町並みが豹変してしまった。そっこらじゅう中国人の観光客だらけになってしまったのだ。散歩どころではない、まるで日曜日の竹下通りのようになってしまった。人だらけでマトモに歩けないのだ。しかも例の中国人団体客だよ、声がデカイのだ、脳味噌に響くのだ！そんなのが団体で竹下通りを歩いてるのを想像してくれ、たまったもんじゃないぞ！

　人だけならまだしも、観光客目当てのタクシーや巨大バスやリキシャやなにやらで、超渋滞状態だ。そんでメッチャクチャ排気ガス臭い！散歩してたら頭が痛くなってくるほどだった。

　ゴールデンウイークが始まって3日ぐらいたってから、私はギブアップして陽朔を後にした。上海に逃げ出してしまったのだ。宿のお姉ちゃんが言うコトには、この時期はどこの観光地もこんな状態らしい。ならば上海に戻って早めに日本に帰ろうと思ったのだ。

　上海の近場をちょこっとウロチョロしてから日本へ戻った。

　思うんだけど、中国広いわ。ちょっとやそっとの期間で回りきれるもんじゃない。また、いつか、出かけなくては。その時にもリージャンはまた寄るだろうな。陽朔にも本当はもっと長居したかった。いつになるかはわからないが、また中国に行くことになるだろう。

おわり

アフリカ、ジンバブエ編に行きます。