次の町はイスファハン！イランを代表する大観光地だ！

　その昔「イスファハンは世界の半分」という言葉を残した町だ。最初は「世界の半分ぐらいある、すごく大きい町」と思ってたら、「世界の半分の富がここにある」とゆう意味だそうだ（ちょっと考えれば分かることだな）。

　皆既日食はこのイスファハンで見るつもりだったから旅行の最後に来れば良かったんだけど、移動の進行方向にあるし、下見をかねてチョットだけ寄ることにした。

　さって、さっそく宿を探そう。

　いきなり出会ったアジア名物、多人乗りバイク。

　しかし、おばちゃんはどこに座ってるんだ？

　イスファハンはさすが大観光地らしく、どこの宿も空いていない。どうも今はイランも夏休みで、外人だけでなくイラン人の観光客もイッパイ来ているそうだ。

　結局「屋上に布団敷いて寝るならいいよ」と言う宿に泊まることになった。屋上１泊８千リアル。安い！カバンは無料で預かってくれるそうなので安心だ。明日にはドミトリー（相部屋）が空くらしいが、屋上のままでもいいかな、安いし。

　イランは暑いから屋上の方がすごしやすいな、と思った私がバカだった！すごしやすかったのは夜の１２時ぐらいまでだ。それからの寒いこと寒いこと、さーーーぶいこと！！！毛布を借りてくるまってもマダ寒い！なんとか寝れたが風邪ひきそうだった。さっさとドミに移ろう。

　屋上の欠点その２・・・昼間は暑くって、とてもじゃないが居られない。昼間どころか朝だって日が射してきたら、もうおしまいだ。日陰を求めて布団を引きずって移動する。ほかにも同じような事している外人さんが居た。顔を見合ってお互いテレ笑いするが、もうそろそろ限界だ、おとなしく下に降りよう。

　寝不足の目をこすって庭で朝飯食って、しばらくボーッとしながら宿の情報ノートに目を通す。

　情報ノートとは、いわゆる宿の落書き帳なのだが、西から東からやって来た旅行者が各国の情報を事細かに書いていっているのだ。イランに限らずパキスタンやトルコなどの隣国の情報から、中国やヨーロッパの情報まである。もちろん外人さんもノートに書いているのだが、ここの情報ノートは半分近くが日本人の書込だ。

　とりあえずイランの情報、特にイスファハンの情報をよりながら読んでいく。イスファハンに関しては、すごく詳しい情報がコピー用紙で貼っつけてあった。そこらのガイドブックより詳しいかもしれない。

　その情報の中から、まずはイスファハンといえばココ、と言うぐらい有名なイマーム広場に行ってみよう。

　宿からイマーム広場までは普通に歩けば多分１５分ぐらいの所にあるのだが、ココはイラン！そう簡単にはたどり着けない。寄り道好きの私が下手に路地なんか歩くもんだから、行く先々で声がかかり無理やり引っぱられて店に連れてかれてチャイのご馳走になったり（何か買え、とは全然言わないのがイランだな）お菓子ご馳走になったり、広場に着くまでえらく時間がかかってしまった。

　さて、イマーム広場に入った瞬間！ビックリした！何だココは！凄いところだ！！

　一応ガイドブックの写真を見てある程度の予想はしてたんだが、写真と実物は別もんだった。とてもじゃないがこんな所、写真じゃあらわせないよ。・・・と言う事でイマーム広場の写真は載せません。ぜひ、実物を目の当たりにして感動して欲しい。どんなに腕のいい写真家が写してもこの広場は表現できないだろう。

　最初、日食の観測場所を色んな候補地から探すつもりだったが、もうココ意外には無い！一発で決まってしまった。

　いつまでもボーッとしているわけにはいかないが、広場があまりに広くてどこに行っていいのかよく分からない。と、とりあえず一番有名な王のモスクに行ってみよう。

　・・・これは、王のモスクの入り口の天上。何て綺麗なんだろう。中に入るには入場料がいるのだが、この天上見てる分にはタダだ。別にお金が惜しいわけじゃぁないんだけど、中に入るのがもったいなくて、しばらく上を見上げていてしまった（チョット放心状態だ）。

　上を向き続けているのがしんどくなって、横の床に座って又しばらく眺めていた。やっぱりしんどいので床にねっ転がってそのまま眺めた。この床は大理石だろうか？ヒンヤリしていて気持ちいい。・・・・・・ね、眠ってしまった。は、ハズカシイ。横向くと門番のオジサンがニコニコ笑ってる。反対向くと切符売りのオジサンがニコニコ笑いながらチャイ持って来てくれた。

「ありがとう、頂きます」

　門番のオッちゃんと切符売りのオッちゃんとしばらく話しをして、結局この日はモスクには入らなかった。そのまま入るのがもったいなかったのだ。時間はたっぷりあるんだ、この場所はもっとじっくり、じっくり時間をかけて見て回りたい。

　チョット様子を見てすぐ次の町へ行く予定だったのだが、結局イスファハンには４日も滞在してしまった。そして、ここには毎日欠かさず足を運んだ。チャイをもらったのは最初の日だけだったが（いや、別に、深い意味はないが）オッちゃん達は私の顔を見つけると、にこやかに手を振ってくれた。