さて、次の町はバンダレ アンザリー。カスピ海の港町、イランで唯一海水浴が出来る町なのだ。そして、これが又遠いい。まずテヘランまで夜行バスで行って、そこで乗換えてラシュトとゆう町まで行く。そこからタクシーだ。いきなり行くのはツライので、ラシュトで１泊しよう。
ラシュト行きのバスに乗ってラシュトへ近づいていくと、窓の景色が今までとハッキリ違う。緑が多いのだ！今まで沙漠ばっかりだったのが、木々や林が見えてきた。久々の緑だ、こ、心がなごむ！緑ってゆうのは良いもんなんだなー。久々に見たからこそ気が付いたんだろうな。
よしっ！ラシュトに着いたら緑の中を散歩しよう！
・・・と、思ったのだが、ダメだ、歩けない。暑いのだ。単に暑いんじゃない、蒸し暑いのだ！他の町だって平均温度は４０度以上だ。でも、湿気がないからすごしやすかった。日陰に入れば涼しいし、意外と汗もかかない。
しかし、ここはダメだ。メッチャクチャ蒸し暑い。イランに来て初めて汗だくになってしまった。歩けない、歩いててもロクな事が考えられない。アイスクリームのお釣りが計算できない。脳味噌溶けそうだ。
ダメだ、早くアンザリーへ行こう。アンザリーだって蒸し暑いだろうが泳げるだけマシだ。明日の朝移動だ、早朝に移動だ！
アンザリーへはラシュトからタクシーで４５分。宿のオッチャンが言うには乗り合いタクシーなら２千リアルで行ってくれるそうだが、本当だろうか？４５分２千リアルはあまりにも安すぎると思うのだが。
・・・とゆう心配は不要だった。あっさり２千リアルで行ってくれた。宿もあっさり決まった。シングル２万でチョットと高いけど、ま、いいか。この宿もシャワー室が無いと言う。やっぱり近くにエステがあるのかな？宿のオッチャンに聞いたら「すぐ近くに海がある」って、おいおい、海はシャワー室じゃ無いだろう。まあいいか、何とかなるだろう。よっしゃ、さっそく泳ぎに行こう！
ちょっと歩けばスグ海岸だ。ガイドブックにはタクシーで行く遠くの海岸がグッドらしいが、今日はそんな元気はないぞ、近所の海岸でお茶を濁そう。
・・・やっぱりあんまりキレイじゃねーなー、なんか逗子の海岸と変わんないぞ。でも、一端入っちまえばどーだっていい！！気持ちいい！！やっぱり夏は海だぜー！蒸し暑くったって海に入っちまえばへっちゃらだー！！俺は息継ぎが出来ないけど大した問題じゃあ無いぜー！
しかし、どーでもいいけど波打ち際はお風呂みたいな温度だぞ。太ももぐらいの所でしゃがめば完全にお風呂状態だ。そして、沖の方へ行けばチョットは冷たい海だ。１粒で２度おいしいってか？
また、嬉しい事にここでは女性の人も一緒に泳いでるのだ。
イランの女性はイスラム教の戒律によって、他人に肌を絶対見せない様にしている。暑い中チャドルと呼ばれる黒い布を頭っからかぶって、顔の部分意外をすっかり覆ってしまうのだ。人事ながら大変だろうな、と思う。すごくキレイなのにもったいないとも思う。
そんな女性が同じ海岸で泳いでいる。さすがに水着は着てないが、チャドルを脱ぎ、スカーフと普通の服で海に入っている。これがまた、なんとゆうか、薄い服が海水に濡れてピタッとくっついて、いやーそのー、おぢさんは嬉しくなっちゃったよ。
子供とか兄ちゃんとかオッチャンはドンドン寄って来てくれるんだが、女の人はなかなか寄って来てくれない。私がジワジワジワジワ寄っていくと、少ーしづつ遠ざかって行ってる様に見えるのは気のせいだろうか？・・・あからさまに寄って行くのはやめとこう。
うんっ！海で泳いで元気が出てきた！ガイドブックご推薦の海まで歩いて行こう！
こーーーれが又遠いんだ。なっかなか着かない。又脳味噌溶け出して来た。途中の食堂で一休みして遅めの昼飯を食おう。ここには魚のケバブがあるらしい、さっそく頼んでみた。魚は久々だ。
魚ケバブにライスにヨーグルトに香草にザムザムコーラ、豪勢な昼飯だぜ！なかなかウマイ！泳いで疲れてるから余計にウマイのかも知れない。今日は贅沢したから１万５千リアルぐらいかな？
・・・さっ、さっ、３万５千リアルゥーー？本当かぁ？本当にそんなに高いのかぁ？ボッてんじゃあねーだろーなぁ！メニューを見せてもらったら本当に３万５千だった。イランじゃ珍しく英語でも書いてあるメニューだ。ボッてる訳じゃあないんだ。後で分かったんだが、魚ケバブとゆうのは高級料理でどこでも高いそうだ。
・・・でもね、今日はね、泳ぐ気だったからね、お金をね、あんまり持って来てなかったんだよー、泳いでるうちに盗まれたらいけないと思ったからさぁ。財布を探すと、全部で３万リアルと小銭が少々だった。どーしよーかなー。とりあえず正直に話してみた。
最初は怒ってた様に見えたオッチャンも、最後には５千リアル分おまけしてくれた。しかも、しかも、しかもっ！！私が件の海岸に行く事を話すと、「とても歩いては行けない」と、タクシー代５００リアルもくれた！５００リアルもくれたのだ！！なんて優しいオッチャンなんだ！ありがとう！！本当にありがとう！！
さて、５００リアルだが、５００リアルとゆうのは片道分なんだよな。行ったはいいが帰れないよな。ここは行きはヒッチハイク、帰りがタクシーとゆう線だな。
で、さっそくヒッチハイクを始めました。そして、ああっとゆう間に止まってくれました。なんて嬉しい事でしょう。始めてから３分も経ってないよ。
その、明らかに家族で行楽に行きますって車に乗せてもらった。ところが、彼等の行き先は全然別だった様で、私を下ろすとＵターンして何処かへ行ってしまった。ありがとうございました。てっきり同じ海岸に行くものだとばかり思ってたもんだから、Ｕターンした時ビックリしてしまった。わざわざ遠回りしてくれたんですね、ありがとうございました。
さって、そこまでしてやって来たおすすめ海岸、・・・全然良くないじゃないか！有名なんだろうか、人が多すぎるのだ。扇町市民プール満員状態だ。これじゃあ泳ぐどころじゃない。そしてまあ、寄って来るわ寄って来るわガキ共が（悪ガキじゃないよ）寄ってたかってオシン、タナコラン攻撃だ！（いまだにタナコランは謎だ）子供だけじゃなくて大人たちも寄ってきて本当にまぁ、モミクチャだ。
それに、ここは正式な海水浴場だから男性と女性は完全に隔離され、大きな囲いで真っ二つに別けられているのだ。おもろい事もなんともないじゃないか！わざわざ来て損したぜ。・・・とか言いながら夕方頃まで居たのだが。監視台の兄ちゃん達にスイカ食わしてもらったりね（うまかった）。
で、タクシーで帰ろうとしたら、日本語ペラペラのイラン人がやって来て宿まで送ってもらっちゃった。タクシー代の５００リアルは・・・大事にとっておきます。
このイラン人は、なんでも日本に出稼ぎで来てた事があって「私は日本人が好きだ！」と言ってくれた。私だってイラン人が大好きだ！
へっとへとになって宿に戻ると、又々日本語ペラペラのイラン人が、なぜか私を待っていた。誰だこりゃ？
「私は日本に出稼ぎに行ってました。日本人にはすごく優しくしてもらった。だから私は日本人の旅行者に優しくするのです。さあ、私のホテルへ行きましょう！お金はここと一緒でいいです。私のホテルにはシャワーもあります。海もスグ近くです。今日はパーティーやってます。今日の晩ご飯はタダです」
何だ何だ何だ、怪しいオヤジだな。このホテルのオーナーとは親戚らしいが、それでも怪しい。でも、今日の晩飯はタダかー、シャワーもあるのかー。気が付くとオヤジの車に乗っていた。そして、着いたのは海辺の宿だ。けっしてキレイではないが、そこそこの宿でちゃんとシャワー室もある。
そして、スミっこの暗がりでは、異様な盛り上がりを見せる女性軍団が大宴会をやっていた。
