うーん。首都のヤンゴンはあんまり面白くないぞ。かなりの都会で散歩しててもつまらないのだ。車が多くて空気も汚いしさ。さっさと両替すまして次の町へ行こう。
・・・レートが悪い！どうしたんだ？ガイドブックでは、おおむね1$が350チャット（チャット＝ミャンマーの通貨）ぐらいなのにどの両替所や闇両替のオッチャンに聞いても最高で340チャットであった。しかも、それはUS$の場合でFECになるとさらに安くて320チャットだ。オイオイ、FECはドルと同等じゃなかったのか？話しが違うじゃないか。
話しを色々聞くと、ここ最近急にレートが悪くなったんだそうだ。少し前までは1$が360チャットぐらいだったそうなんだ。なにもオレが旅行する時に合せてレート悪くすることないじゃないか。仕方ないので320チャットのレートで両替しといた。取りあえず30$分だけ。・・・その内レートが元に戻ってくれりゃあいいんだが。
とかなんとか言いながら、ミャンマー自体は気に入っているのだ。話しに聞く通り、いい人が多いのだ。しかも闇両替のオッチャン達でさえいい人が多い。話しをしてても楽しいのだ。これは珍しいぞ。闇両替の人達と話ししてて面白かったのはイラン以来だ。
ただし、中には変な両替人もいたぞ。1$を40チャットとか言いやがったヤツがいる。ボッたくるにしても限度があるぞ。
実はミャンマーは、政府の正規両替レートといわゆる闇両替のそれとの落差がありすぎるのだ。政府の正規レートは、1$に対し7チャットぐらいだ。闇と50倍ぐらいの差がある。こんなんじゃ、だーれも正規レートで両替する人はいないぞ。町の両替所のレートもモチロン闇レートを採用している。
が、それをあまり知らない人をターゲットにしてるのか、さっき言ったようなトンでもない闇両替屋さんが、たまーーーにいる。「ほら、正規レートは7チャットなのにオレの所じゃ40チャットもするぜーー」ってな感じだ。ま、どんな所にでも変なヤツはいるってことだな。大多数の人達は気持ちのいい人ばっかりだけどね。
そんなミャンマーで特に気に入ったのが、人に品物やお釣りを渡すときの仕草だ。これはすーーーごく素敵だなって思ってしまった。
どんな仕草かって言うとね。右手に物やお釣りを持って差し出すでしょ、その右手を支えるように左手を右手のヒジあたりに添えるんだ、笑顔と一緒に。すごくいいんだ、この仕草が。メッチャ気に入ってしまった。ミャンマー中どこへ行ってもこの仕草は変わらなかった。
さて、そんな素敵なミャンマー人達に会いに次の町へ行こう！次はピイだ！
翌朝、ピイに向けて出発した。ピイ行きのバス停はかなり遠いので、まずバス停まで市バスで向かうのだが、51番のバスに乗ればとりあえず、その長距離バス停まで行ってくれるそうだ。とか思って歩いてたらいきなり路上両替のオッチャンに声かけられてしまった。
「チェンマネ、チェンマネー。335チャットでどーだ？」
「ん？それはドル？それともFEC？」
「どっちでも一緒だよ」
「えっ本当？昨日はFECじゃあレートが悪いって言われたぞ」
「うーん、他ん所は知らないが、オレはおんなじだぞ」
オッチャンが言うには確かに最近になって急にレートが悪くなったらしい。ただ、ドルとFECの差に関してはそれぞれの両替所によるらしい。それから、レートはヤンゴンが一番良くって地方に行けば行くほどレートは悪くなっていくらしい。と、ゆうことで、ちょっと悩んだけど20$分（FEC）だけ両替することにした（ちょっとセコイぞ、オレ）。
たった20FECだけなのに、オッチャンは嬉しそうにバス停まで送ってくれた。まーこれが助かったこと助かったこと。バス停は私が予想してた場所と全然違ってたのだ。地図である程度予想してたが、方向が全く逆だった（これは私の地図の見方が悪かったのだが、私しゃ天下一品の方向音痴だ！）。しかもバスの番号がミャンマー語の数字表記だけで書かれていて、私１人じゃサッパリ分からないところだった。オッチャンありがとねー。もうチョット多めに両替してやりゃあよかった。
さて、そのバスだが、こりゃ日本のバスだ。日本の市バスのお古だよ。お古のバスをそのまんま使っている。至る所に日本語がそのまんま書いてあるのだ。『ワンマン』とか『禁煙』とか『お降りの時はこのボタンを押して下さい』とか書いてある。思わず押しそうになっちゃったよ。
そう思って道路を見ると、日本の中古車がイッパイ走っている。ボディに、なんとか製作所とか○○幼稚園とかが書いてある。そして、乗換えたピイ行きのバスも日本製だ。しかも西武箱根鉄道観光バスだ。なんか不思議な感じがするなー。
さて、その西武箱根鉄道観光バスに乗ってピイに出発だ！
・・・狭い！ムッチャ狭い！なんだこのバスは？本当に日本のバスかぁ？足伸ばせないぞ前の席がリクライニングしたらモット狭っ苦しいぞ！何だこのバスは？小学生専用バスかぁ？
今まで色んなバス、オンボロバスを乗ってきたが、ここまで狭く苦しく窮屈なバスは初めてだ！本当にこんなバスが日本で走ってたのかぁ？信じられないぞ！ひょっとして客から狭すぎるとクレームが出てミャンマーに売り払ったんじゃないだろうな？こんなバスに何時間も乗るのか？・・・じ、地獄だ。ミャンマーの移動はすべてバスにするつもりだったんだけど、大丈夫だろうか？ほかのバスはもうチョットまともだといいんだけど。なんか、心配になってきたぞ。
