さて、おっちゃんが紹介したのは“TANYA HOUSE”トイレ、ホットシャワー付きで一泊８０バーツ、当時のレートで約４００円だ。本当にそんなに安いんだろうか？とりあえず見に行くことにした。

　おっちゃんが連れてってくれるのかと思ったら、何処からともなく現れたおばちゃん（本当にどこにいたんだ！）が、三輪バイク？（オートバイの後ろに座席を付けたやつ。ちゃんと屋根も付いている）で連れて行ってくれた。おっちゃんはいろんなホテルを経営していて、おばちゃんはその妹だと言う。

　到着したホテル、いや、ゲストハウスは、けっこう若いアンちゃんがまかされていた。さっそく部屋を見せてもらったが、・・・気に入った！部屋が思ったより広くて、余計な物がない分すっきりしている。そして、なんと言っても、ベットが大きくて気持ち良いい。ほとんど正方形で大の字に寝てもへっちゃらだ。

　シャワールームも確認。ちゃんと熱いお湯が出たし、トイレに手動水流尻穴洗浄装置（写真にこれって書いてるやつね）も付いている。この小っちゃいシャワー、インドネシアでお世話になってすっかり気に入ってしまった。

　これ、ようは手動のウォシュレットで、用を足した後、おもむろにおしりの方に持って行き、シャワワーとするのだ。これが気持ち良い！特に下痢になった時がありがたい。トイレットペーパーじゃぁヒリヒリするものね。なんで日本に無いのかなぁと思っていたら、屋久島のラーメン屋さんのトイレで見つけた。ちゃんと使い方わかってる人、いるんだろうか？

　さて、話しを戻しましょう。宿泊を決めて荷物を置いたら、アンちゃんが呼びに来た。

　大量のアルバムを持ってきて話しだしたのは、トレッキングツアーの説明だ。ここでトレッキングツアーを企画しているらしい。もともとツアーに参加するつもりだったので、これは都合が良い。

　アンちゃんはいっしょうけんめい説明しているんだが、半分もわかりゃしない。ツアーの出発が明日であること、二泊三日のツアーで料金は全部で１万５千円ぐらい。なんとか理解できたのはこれだけだ。でも、これだけわかってりゃ何とかなるだろう。１万５千円が高いのか安いのかよくわからないが、まぁ、いいことにしよう。

　宿も決まったし、トレッキングツアーも決まった。さあ、安心して散歩に出かけよう。

　チェンマイの町は四方を運河に囲まれていて、お城の無いお堀の中に町があるっていう感じだ。とりあえずお堀の中をうろつく分には迷わないだろう。TANYA HOUSEもその中にあるし。

　しかし暑い！暑いったら暑い！！こんな日はビールにかぎる。適当なお店に入り一番ポピュラーなシンハービールを注文。

　うまい！うまいったらうまい！！やっぱりビールは暑いところで飲まなくっちゃぁ。冷房が利いてるような所で飲んだんじゃぁうまさが半減する。日本の店はそうゆう所がわかっちゃいない。

　なんてことを考えているうちにあぁっとゆう間に飲み干してしまった。気がつくと隣の席で女の子が私を見つめていた。今の飲みっぷりに見とれてしまったんだろう。罪な男だ。

　写真を一枚とらせてもらう。なんとなく目がうるんでいる。きっと私に気があるに違いない。

　おや！こっちに近づいてきた、わ！どうしよう、早くも国際的恋愛のはじまりだぁ。と、思っているうちにビールビンをさげていった。

　・・・お店の人だった。

　傷心の旅人は、また散歩へと戻って行く。

　お腹がすいたぁ。もうそろそろお昼のはずだ。お昼御飯はおいしそうな店がいい。お店の前にシュウマイやら肉まんやらを並べた、一見飲茶のような店がある。ご飯もおいているようだ。とりあえず店に入りビールを注文する。主人が「ビールは大瓶しかおいてないが、それでもいいか？」と聞いてきた。もちろん悪いはずがないじゃぁないか。

　そこでタイ風焼き飯を注文する、思ったより辛くない。わりとあっさりした焼き飯だ。いっしょに薬味のような物がみっつ出てきたが、ちょっと味見をする。甘っぽいのやら辛いのやら色々だ。周りを見るとタイの人は、このみっつをうまく混ぜ合わせて食べている。ギョウザのたれを作るのと同じ様なもんだろうか？試しにやってみたらメチャメチャ辛くなってしまった。この３薬味混ぜ合わせは、なかなか難しい。おかげで大瓶ビールがあっとゆう間に無くなった。

　口直しに店の前の小品を頼み、ビールをもう一本。エビシュウマイと肉まんを頼んだが、肉まんと思っていたのはアンマンだった。ビールにアンマンは、おつなものである。決して負け惜しみではない。も一度口直しに、今度こそ肉まんを頼む。でも、あんまりおいしくなかった。

　ふらふらしながら散歩は続く。ちょっと飲みすぎだろうか？

　道端に青空喫茶店のような店があった。オートバイに乗ったカップルがおもしろそうな物を注文している。ジューサーミキサーの中に果物と氷とトロっとしたミルクを入れて、ぐっちゃんぐっちゃんに混ぜている。果物シェイクだろうか？入れ物がまたいい。ビニール袋にそのシェイクを入れて、ひもで縛って頭にストローをさす。それだけだ。後ろの女の子がそれを下げたまんまバイクは走っていった。

　飲みたいっ！酔い冷ましにはちょうど良さそうだ。おねいちゃんにさっきの人と同じのをちょうだい、と注文する。

　どうやらお店ではコップで飲むらしい。あたりまえか。でもちょっとがっかりする。

　シェイクを作ってる間、座って待っていた。

　いすに座ってぼーっとして、前を見たらおねいちゃんがニコニコしている。い〜い気持ちだ。

　チェンマイ初日の真っ昼間、私はすでに出来上がっていた。